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インスタントフィクション 卒業式

作者: 宇山一博

 卒業式には参加していない。教室で過ごしている。教室の向こう側に見える体育館から仰げば尊しが聞こえてくる。僕も小さく口ずさむ。歌詞は難しくて意味はわからないが、きっと卒業式にぴったりだからこう言うときに歌うんだろう。

 歌い終わると卒業式が終わってぞろぞろと生徒たちが帰ってきた。担任が卒業おめでとうと言って目が潤む。それに感化された生徒たちが泣き出した。

 その後、各々写真を撮って僕も映り込んだ。また映り込んでるよと僕を笑ってくれた。最初は怖がっていたが、今では定番になっている。俺のところにも来いよと言われ写真に映り込む。彼らも喜んでくれた。最も嬉しかったのは、僕に寄せ書きを書いてくれたことだ。こんなことは初めてだった。真ん中に大きく卒業おめでとう書いている。死んでも卒業できた。大きな涙の粒が寄せ書きに落ちるが濡れない。この感謝が伝わってくれないのが悔しいけれど、伝わってるといいな。

 

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