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コボルトとブラウニー

働き者のブラウニーと怠け者のコボルトのお話。

夕暮れになると溶けた琥珀が蜂蜜のように天からこぼれ落ちていた時代の話だ。この土地には、ものぐさで有名なコボルトがいた。

仲間のコボルトが働き者ばかりだったのに、このコボルトだけは、「めんどうくさい」が口癖で、何を始めるにも、まず面倒臭がるので、仲間のコボルトよりも遅れるのが当たり前でした。

さて、ある年の春の日に種まきをしようとコボルトどもが、自分達の畑を耕し出した頃、やはりものぐさで有名なコボルトだけは、「あー、やだやだ。めんどうくさい。明日にしよう。明日にしよう。」と、毎日言っては仕事を始めるのを先送りにしていました。

毎日毎日、仕事を始めないので、とうとうこれ以上、仕事を始めるのが遅れると、不作になると言われる日になってしまいました。

しかし、ものぐさで有名なコボルトは、その日になっても、とても面倒でした。そうはいっても仕事を始めないわけにはいかないので、鍬を持って畑に出掛けました。コボルトが自分の畑に来たとき、たまたま働き者で有名なブラウニー達と出会いました。

ブラウニー達は、

「やぁ、コボルトの旦那。こんな時期になってから畑仕事を始めるのかい?」

と、呆れながら話しかけてきました。

コボルトは、照れながら

「いつものように、ものぐさでな」

と、答えました。するとブラウニー達は、にっこり笑って

「コボルトの旦那。それなら俺達に任せてみないか?お礼にお菓子を作ってくれたら畑仕事をしてやろう。」

ブラウニー達は、コボルトが作る砂糖菓子が好きだったので、交渉してきたのでした。

ものぐさで有名なコボルトでしたが、一族の得意な砂糖菓子作りだけは、苦にならなかったので、ブラウニー達の申し出を喜んで受けました。

さて、ブラウニー達は、荒れたコボルトの畑に向かうと懸命に働いて固くなった土を耕し、種を蒔いて、水をやり、草を抜きました。

そして夏になると立派なニンジンがたくさんコボルトの畑に実ったので、コボルトは、大喜びで、ブラウニー達に毎日、砂糖菓子をご馳走しました。

さて、次は夏の野菜の準備をしなくてはなりません。コボルトは、ブラウニー達に再び畑仕事を頼みました。ブラウニー達も夏の日差しの畑仕事は、嫌でしたが、コボルトが砂糖菓子を倍作ってくれるというので、仕方なく引き受けました。

その年は、暑い夏でした。ブラウニー達も休み休み仕事をしなくては、倒れてしまいます。

しかし、ブラウニー達が休んでいると、コボルトは、「毎日、砂糖菓子を作ってあげてるのに休むとは何事だ!」と、怒り出すので、ブラウニー達は、夏の暑い陽射しの中でも仕事をしなくてはなりません。

コボルトは、ブラウニー達が砂糖菓子に弱いことにつけこんでブラウニー達をこきつかい、ブラウニー達も無理な注文とわかっていても砂糖菓子に目がくらんで、つい無理をしてしまいました。

ところが、ある日、いつまでたってもブラウニー達がご褒美の砂糖菓子を食べに来ないので、コボルトは、心配になってきました。

「おかしいなぁ、今日に限ってどうしたのだろう? 様子を見てこようか?」

コボルトが心配になって畑を見に行くと、暑さにやられたブラウニー達が地面に倒れていました。

コボルトは、慌ててブラウニー達を木陰に移し、泣いてブラウニー達に謝りました。

「ごめんよ。俺が無理に仕事をさせ過ぎたばっかりに・・・・・・」

「いやいや、俺達も砂糖菓子に目がくらんで、無茶なことをしてしまったんだ。」

ブラウニーとコボルトは、お互いの欲深さが恥ずかしくなって来ました。

コボルトは、ブラウニー達が元気になると、ブラウニー達を家に招き、たくさん砂糖菓子をご馳走し、明日からは自分もちゃんと働くと約束しました。

そして、それからは決して他人の弱味につけこんで無理なお願いをしなくなりましたし、ブラウニー達も欲に目がくらんで無理な仕事を引き受けなくなりました。

欲は、お互いを滅ぼすというお話だ。

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