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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第三章 運命の輪が作るストーリー
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14-3 意外なキッカケ

 

 あれからしばらく経つが、ショウはなかなか戻ってこない。


「うまく説得できないのかしら?」不安が(つの)っていく。

 金属片を付けているときは、なるべく人間との接触を()けたい。聞かれたら説明できないし、外されでもしたら正体がバレてしまう。

「困ったわ。何とかして体力を回復させないと。何かいい方法はないかしら?」


 ソファ前の床に座ったまま考え込んでいると、やっとショウが戻ってきた。

「とりあえず回復に向かってるから、二、三日様子を見て、その後で診てもらうか決めると言って断った」

「そう、よかった」やっとホッとする。

「二、三日で回復するか?」

「……それは、無理ね」

「次に来たとき同じような状態だったら、有無を言わせず連れてくるぞ」

「……そうね」


 隣に来てしゃがむと「その金属片、絶対にマズいだろう?」

「チップよ。付けてる理由を聞かれるだけならいいんだけど、外されたり、何かの拍子で取れてしまったら大変だわ」

「そうなったら命取りだ。何か、体力を回復できるいい方法はないか?」

「考えてるけど、思い付かないのよ」


「参ったな」考え込むと「ここを引き払って、近くのホテルに移るか?」

「ホテルや宿泊所は難しいわ。病人を泊めてくれるかわからないもの」

「なら、どこかに隠れるしかないな」キラを抱き上げるとベッドへ連れていく。

「どこに隠れるの?」

「どこと言われても、すぐに思い付かない」カーテンを閉めに行くと「もう、どうしよう」頭を抱える。


 カーテンを閉めながら「そのチップも長時間、付けてられないんだろう?」

「……ええ。それに、体力がないときはきついの」額のチップを取ると元の姿に戻る。

「どうして?」

「それは……変化するには、エネルギーが必要だから……」チップを専用ケースにしまう。

「なるほど。そういう仕組みなのか」戻ってくるとベッド脇の椅子に座る。

「これ、ありがとう」バンダナを渡し「テーブルの上にある、夫人が持ってきてくれた花をサイドテーブルに持ってきてくれる?」部屋の入り口側にあるソファセットのテーブルを指す。


 ショウは立ち上がると花瓶を持ってきて「こうなると、最悪の場合、隣の森の中で野宿するしかなさそうだな」と言うので「湖畔に面した森は、人間がくる可能性が高いわ」

「わかってる……どうした、何かいい方法を思い付いたのか?」再びベッド脇の椅子に座ると「森……もうこの方法しかないわね。今夜、隣の森へ連れてって」

「森って、本気で野宿する気か?」

「違うわよ」

「じゃあ、どうするんだ?」

「とにかく、何とかなるから」


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