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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第三章 運命の輪が作るストーリー
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11-1 今後の対応について


 次の日のお昼前、キラが目を覚ました。


「気分はどうだ?」

「……私、生き、てる?」

「当たり前だろう」

「……どう、して?」

「解毒剤を飲ませた」

「げどく、ざい?」

「ああ。お前が持ってる薬のポーチに入ってる解毒剤だ」頭を撫でながら「何か飲むか?」

「……いら、ない」


「まだ、死のうと思ってるのか?」聞くと顔を(そむ)けるので「死のうと思って、何か飲んだんだろう?」

「……」

「そんな事、する必要ない」

「……」

「俺がいるから、そう思うのか?」

「……」

「そうか。だったら出ていくから、グループの誰かを呼ぶといい」するとキラが振り向くので「俺が、いるせいで、お前が、死を、選ぶん、だったら、出ていく……」

「……」

「辛い、思いを、させて、悪かった。お前を、追い詰める、気なんか、なかった……」

「……」

「お前の、こと、絶対、喋ら、ないから」

「……」

「今まで、一緒に、救出活動、やらせてくれて、ありがとう。自分勝手な、ことばかり、押し付けて、悪かった……」

「……」

「ノートブック、置いてく、から……」


 サイドテーブルに置いてあるノートブックを取ると、ベッドの上に置く。


「グループのメンバーが、来る日がわかったら、教えてくれ」


 そう言い残すと部屋から出ていく。



 夕方六時過ぎ、再びショウが部屋へきた。

「夕飯を持ってきた。食べたくなかったら無理に食べなくていい。けど、薬だけは飲めよ」


 サイドテーブルにトレーを置くと水差しを取りかえ、救急箱を持ってくると、左腕の傷のガーゼを取り替える。


「目の腫れが大分よくなったな。痛みはなくなったか?」

 うっすらと目を開けるので「メンバーはいつごろ来るんだ? 連絡したんだろう?」と聞くが、返事が返ってこない。


「早く来るように伝えとけよ」と言うと「ねえ」キラが口を開く。「ここから出ていったら、どうするの?」

「……そんなこと聞いて、どうするんだ?」

「……どうするかは、あなたが何をするかによるわ」


「俺が、秘密をバラすようなことをしようと考えてたら、消せとでも言われたのか?」

「……ええ」

「……さっきも言ったが、そんな事はしない」

「……信じられない」

「じゃあ、消せばいいだろう。ほら」彼女の銃を渡す。「俺のことが信用できないなら、撃てよ」

「……」

「撃てよ」


「……今の状態であなたを撃ったら、逃げられない」

「なら、メンバーが来たときに始末すればいい。俺は、逃げも隠れもしない」

「……ウソ」

「……ウソは吐かない」

「……」

「メンバーが来る日は言わなくていい。俺のことをどうするかは、お前たちで決めろ」

「……」

「とにかく、早く呼べよ」

「……」

「何かあったら、呼び鈴を鳴らせ」と言って部屋から出ていく。


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