7-2 次のステージに向けての説得
「そこまで断定はしてないと思うけど、十中八九、そうだと思ってるだろうね」
『正体がバレたからその組織に服従しろというんですか!』立ち上がって大声を出す「水の貴族」サードのジュリアスに「まさか」と言い返すと『エッ?』動きが止まる。
「服従しろなんて言うわけないだろう?」ショウはムッとして言い返し「事の発端がどうであれ、君たちを物扱いしてる人間に服従しろなんて、言うわけないだろう?」
『……それは……』
「ジュリアス。いつもの冷静さはどこいったんだよ」
『……すみません……今の状況に混乱してしまって……』肩を落として椅子に座る。
「でも、これから話す内容の方向性としては間違ってない」
『それはどういう意味ですか?』「水の貴族」トップのジェシーが、意味がわからず聞くと「単刀直入に聞く。保護団体の組織ヴァリエタース(多様性)と組まないか?」
『エッ!』一同、ショウの提案に固まってしまう。
「今回のことでこちらの正体がほぼバレてしまったが、彼らは救出団体。ティスたちを助けてくれて、身の安全を確保してくれてることは大きいと思う。それに、組織のメンバーは人間だから、例の鏡の影響を受けることがないので、幽閉されている仲間を救出しつつ、今回のことが起きた発端と真犯人を追い詰めることができると考えてる」
『それは、君が人間で我々の立場にいないから、言えることじゃないか?』冷静に返す「風の貴族」トップのファルーク。
「だから、みんなの率直な意見を聞きたいんだ」
『さすがに、すぐ返事ができることではないですよ』「水の貴族」トップのジェシーが『すみませんが、まだ完全に人間を信じることができないので、無理だと言わざるを得ません』
「当然だよ。無理はしなくていい」
『しかし、こちらの正体がバレてしまっているのであれば、その組織は俺たちも捕まえようと動くんじゃないか? 保護するという名目で』疑惑の目を向ける「風の貴族」トップのファルークに「それはない」即答するショウ。
『言い切れるのか?』
「もちろん」
『なぜ?』
「組織のトップがそう言ってるからだよ」
『言うだけなら誰でも言える』
「そう言われることを見越して、組織のトップであるアディから、みんなにメッセージを送りたいと動画が送られてきてるから、まずはそれを見てほしい」
ショウはタブレットを取りだすと、アディから送られてきたメッセージを再生する。
タブレットには、アディが会議室で録画している様子が映っていた。
相変わらず隙がない雰囲気がするが、アイドルのような爽やかな笑顔が人懐っこく見える。
「初めまして。僕は、低俗な人間に幽閉されている、皆さんの仲間の救出活動をメインとした組織、ヴァリエタース(多様性)の責任者でアディと言います。
今回、ルナノヴァ国、領主の館で起きた事件を通して、仲間の救出のために動いている皆さんの存在を知ることになり、このメッセージを作成するに至りました。




