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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 大陸の秘密
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2-1 宙に浮くお菓子

 

 その時,

『エミア様! ご無事だったのですね!』

『エミア様! 心配致しました!』


 エミアと一緒に、ラルたちの部屋へお菓子を食べに来ていたイータル ヴェンティ(風の精霊)の、年上のアウラ リートレと年下のアウラ マリスが、並んで座っているショウとラルの外側からそれぞれ出てきて、大声で話し掛ける。


『アアッ! ファルーク様じゃないですか! どこにいらしたのですか! ずっとお捜ししていたんですよ!』年上のアウラ リートレが、エミアの隣の真正面に座っているファルークに気づく。


『ファルーク様の瞳に光の反射がなくなってる。もしかして、視力を失われているのですか?』年下のアウラ マリスが心配そうに聞くと『長い間、風通しのない洞窟の中にいたせいで、視力が落ちてしまったんだけど、こうして外に出ることができたから、時期に元に戻るよ』


『そうなんですね。回復されるまでお大事になさってください。でも、お会いできてよかったです』ホッとする年上のアウラ リートレ。


『ファルーク様。こちらに来られると伺ってましたが、ご無理なんですか?』年下のアウラ マリスが右側にいるショウを見るので「状況が変わってしまったから、向こうで落ち着く場所を用意したんだよ」


『そうなんですか……』


『もしかして、後ろにいらっしゃるのは、ホッフマイスター侯爵ですか!』アウラ リートレがモニターに近寄って確認するので「リートレ。顔がアップになるよ」ラルが注意すると『アッ、そうでした!』慌てて後ろに下がり、再度確認すると『ホッフマイスター侯爵。どこにいらしたのですか?』


『私もタンデルチェスト子爵と一緒に、ある場所に閉じ込められていたんだよ』

『まあ! そうなんですか!』


『あの、ご体調はよろしいのですか?』閉じ込められていたというわりに元気そうなので、アウラ マリスが不思議そうに聞くと『ああ、私たちは部屋の中にいたからね。だから大丈夫だよ』


「あのさ、話の途中だと思うけど、俺だけ蚊帳の外なんだよ。きっと、そっちの二人の両端に誰かいるんだと思うけどさ。誰なの?」不機嫌なオルトが説明を求める。「イケメンの前にチョコレートが入った細長い袋があって、ラルさんの前に、それはクッキー? の袋が宙に浮いてるの、イリュージョン?」目の前の大型テレビのモニターを指す。


 しかも、宙に浮いているチョコレートとクッキーの袋があちこち動くので、オルトが理解に苦しむ。「なんで動くの?」


『ショウ! 私のチョコレートとクッキーは!』エミアが大声で聞くので、隣のファルークが驚いた目を向ける。


「エミア。ファルークがビックリしてるよ」ショウが注意すると『あのね。今、ラルたちがいる場所の近くに、凄腕のパティシエがいるの。その人達が作るお菓子が、どれも全部おいしいの』


 一生懸命エミアが説明するとファルークはクスクス笑い『エミアはお菓子に目がないからな。でも、そこまで言うなら本当においしいんだろうね。それに、声を掛けてきたのは、アウラ リートレとアウラ マリスだね? 心配かけて悪かったね』


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