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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 大陸の秘密
826/836

1-3 合流

 

『仮設? どんな仮説を立てたんだ?』ファルークが聞き返すと「各貴族には同じシークレット事項があって、それぞれこの大陸の別の場所と繋がってる、隠し通路があるんじゃないかと考えたんだ」


 そう聞いて、「風の貴族」セカンドのホッフマイスター侯爵と「土の貴族」サードのタンデルチェスト子爵が、一瞬、驚いた顔をして、すぐに表情を戻す。


『本当に、シンシアから聞いた話だけで、そこまで仮説を立てることができたのか?』理由が簡単すぎで疑問を持つファルーク。


「もちろん、それだけじゃない。今まで集めた大量の情報がベースにある」

『それは……』


『ファルーク』ジェシーが後ろから再び止める。『聞きたいことはみんなあるから、順番に、重要事項から確認することが今は優先だよ』


『ああ、そうだったな。しかし、どうしても聞きたかったんだ』

『わかるよ。だから、あとで聞こう』

『……ああ』頷くファルークの左手をつかむエミア。


 ショウはその光景を見て、なぜラルが視力を失っているだろうと予測するファルークを、自分たちがいる部屋へ連れてこようとしていたのか、わかった気がした。


「ファルークはエミアの恋人なのか?」小声で隣にいるラルに聞くと「幼馴染なの」

「……そうか」


 視力を失っているファルークが落ち着いていられるのは、隣にエミアがいるからだろう。


『では、みんなの紹介が終わったので、領主の館に囚われてしまったティスとシルビアの救出について、作戦を立てていきたいと思います』


「いやいや、エミア様は紹介しなくていいのか?」立ち上がって話を止めるオルト。

「俺にはエミア様の姿は見えないけど、ファルークの隣にいるんだろう?」オルトには、誰も座っていないように見える椅子を指すと『ホテルにいたとき、エミア様が……ああ、そうか。オルトにはエミア様の声が聞こえないんだったね』ジェシーは思い出すと『ショウは、エミア様を知ってるんだよ』


「エッ、そうなの? じゃあ、改めて紹介する必要ないのか。でも、いることは教えたほうがいいんじゃないか?」


『姿も見えるんだよ』


「あれ、そういえば、いくつか条件をクリアしたら見えるようになるんだっけ。そうだ。あのさ、どんな条件をクリアしたんだ?」


「条件?」ショウが困った顔をすると『オルト、その話もあとでするから、今はティスたちのことが先だよ』再びジェシーが話を戻そうとすると「……わかったよ」ふてくされるので、隣のファルークが、またまあまあと(なだ)める。


「俺も、どうしてエミアたちが見えて話ができるのか、そのことがずっと引っ掛かってたから、ぜひ、あとで話を聞きたいね」と言うショウが「後ろに座っているお二方なら、どうしてなのかご存じだと思うので」話を振ると『ああ、まあな』言葉を濁す「風の貴族」のホッフマイスター侯爵。


「あんたは、どうしてエミア様が見えるのか、わからないのか?」再びショウに聞くと『オルト。あんたじゃ失礼だよ』ジェシーが注意するので「あ、ああ、悪い。えっと、ショウだっけ?」


「俺も理由を知らないんだ」

「俺と逆か。同じ人間なのに、なんでなんだ?」


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