1-1 合流
そこは、首都ルナプレスから一時間近く北へ行った、自然が残る静かな住宅街だった。
メイン通りの両脇には昔ながらの商店街があり、少し先にある公園から子供たちの声が聞こえてくる。
『いい場所じゃないですか』あたりを見回すジュリアスが『どことなく懐かしい感じがするところですね。それで、目的のマンションはどこですか?』ジェシーに聞くと、彼は携帯の地図を見て現在地を確認する。
そこへ、二台目のタクシーから降りてきたオルトたちが来ると、エミアも降りてきてファルークの隣に立ち、『ここの近くなの?』と聞くので、ジェシーがメイン通りの先に建つ、五階建てで中規模の建物を指し『あそこらしいよ』ジェシーを先頭に歩きだす。
横長の建物の中央にある出入り口前に、ウィークリーマンションである看板が出ていることを確認し、エントランスに入ると鍵をもらうため、管理人室の受付窓口から声を掛ける。
「あれ、聞いてるのは二人部屋が二部屋だよ。ああ、そういえば、人数が多かったらもう一部屋貸してほしいと言われてたよ。もう一部屋借りるか?」
長年管理人をやっているという七十代くらいの愛想のいい男性が聞いてくるので、『同じ階で空き室があればお願いします』と頼むと、同じ五階にちょうど一部屋空き室があるというので、その部屋を貸してもらうことになった。
『それにしても、ショウの手際の良さには驚かされるね』隣のジュリアスに言うと管理人から鍵をもらい、エレベーターで部屋がある五階へ上がる。
このマンションは各階八部屋あり、中央のエレベーターを挟んで両脇に四部屋ずつある。
部屋の割り振りは、エレベーターの左側、五〇二号室にジェシーとジュリアス。五〇三号室にはオルトとファルーク。
二つ離れたエレベーター右側の五〇五号室にホッフマイスター侯爵とタンデルチェスト子爵が入ることになり、荷物を置いて着替えたらジェシーたちの部屋に集まることになった。
念のため、他の部屋を借りている人のことを聞くと、全員、首都ルナプレスで働くビジネスマンで、一人暮らしをしているとのことだった。
部屋は2DK。
ジェシーとジュリアスは五〇二号室に入ると、左側の部屋をジェシー、右側のをジュリアスが使うことになり、荷物を置くと堅苦しいスーツから着替え、全員に自分の椅子を持ってくるようメールを送ると、部屋の窓を開けて、待っていたエミアを中に入れる。
『あら、ラルたちがいる部屋と同じ作りなのね』エミアが部屋を見て回る。
『そういえば、今いるマンションと同じ管理会社だと言ってたので、同じ間取りなんでしょうね』
『そうなの』と納得する。
その後、着替えたジュリアスがノートパソコンを持ってダイニングルームに来るとテーブルに座り、ショウたちとチャットするために連絡を取りはじめる。




