48-1 次のステージに向けて
『なにかあったんですか?』ジェシーが聞くと「説明する前に、今、誰と一緒にいるんだ?」
『i今ですか? ホッフマイスター侯爵とタンデルチェスト子爵。ジュリアスとオルト、ファルークとエミア様が一緒です』
「ファルーク? ファルークって」
『ああ、ショウが最初に森の中にいるんじゃないかと言ってた、「風の貴族」トップのファルークです。やっぱり結界の中にいました。詳細はあとで話します』
「そうなんだ、いたんだ。それはよかった。それと、ホッフマイスター侯爵と、タンデルチェスト子爵だっけ? ホッフマイスター侯爵は「風の貴族」セカンドだったよな? あと、タンデルチェスト子爵って、前に揉め事を起こして、王国から追放されたと言われてる「土の貴族」じゃなかったか?」
『そうです。詳細は全員揃ってから話していただくことにしたんですが……』
「ジェシー、ちょっと待って。ラルが音声をオープンにしろと言うから」
『じゃあ、こっちもオープンにします』
ゴソゴソと音がすると「ファルーク!」ラルの大声が聞こえてくる。
『その声は……』
『ラルよ。本当は、彼女たちのところへ救出したあなたを運ぶことになってたの』隣に座っているエミアが説明すると『ラルなのか?』
「ファルーク! なにやってたの!」
『アハハハッ、相変わらず元気がいいな。実は、土の檻に閉じ込められてしまってたんだ』
「……土の檻?」
『ラルさん、そのことはあとでチャットしたときに話しますから』ジェシーが声を掛けると「ああ、ごめんなさい。ファルークがいたって聞いたから。視力は大丈夫なの?」
『ああ……ダメ』
「わかった」
『ではショウ。話の続きをお願いします』ジェシーが進めると「ああ。もう一つ聞いていいか? 今どこにいるんだ?」
『ジュリアスが宿泊してるホテルです』
「ジェシーたちが泊ってたホテルには行ってないか?」
『怪しい者がいるから行かないほうがいいと、確認に行っていただいたエミア様から言われたので、行ってませんが、もしかして、怪しい者に心当たりがあるんですか?』
「ああ、それもこれから説明するけど、そうか、行かなくて正解だよ」
『ホテルを見張ってるのは何者なんですか?』
「領主の館を占領してる、両隣の領主たちだよ」
『やっぱり、僕たちの行方を追ってるんですね?』
「そうだ」
『困りましたね。荷物を部屋に置きっぱなしなので、身元がバレてしまいます』
「荷物は引き取ってあるから心配ないよ。だから行かなくてよかったんだ」
『引き取った? 誰がですか?』
「悪い。説明の前に、今、首都のルナプレスにいるんだろう?」
『はい、そうですけど』
「ティスと一緒にイベントに参加したジェシーは面が割れてるから、最低限の変装をしてくれないか? あと、館にいた侯爵と子爵も。それと、現領主のオルトも、念のために」
「名前だけの領主だから、誰も俺の顔を知らないと思うけど、変装したほうがいいんだ」オルトがボソッと呟くので『名前だけだろうと、お前はこの国の領主だろう?』隣のファルークが声を掛けると「名前だけ偉いってか?」と言って笑いあう。




