47-2 新たな戦略の模索
ニ十分も走ると街中に入り、ジュリアスが泊っているホテル近くの交差点で信号待ちをしていると、エミアが降りてきて窓を叩く。
ジェシーが窓を開けると『ホテルの周りを見てきたけど、特に怪しい動きをしてる者はいなかったわよ』と言うので、頷いて窓を閉めるとエミアは後ろのタクシーへ行き、同じようにジュリアスに伝えると飛んでいく。
それからすぐにホテルに着き、ジュリアスがフロントへ行って宿泊していた部屋の状況を確認すると、長期滞在する予定で一週間分の宿泊費を前払いしていたため、もう一日戻ってくるのが遅かったら警察に連絡するところだったと言われ、ギリギリで回避することができ(危なかった)ホッと胸を撫でおろす。
ここで警察を呼ばれたら、面倒なことになるのは目に見えている。
また、同じ階にツインの空き室が二部屋あるとのことで、少し離れてはいるが、侯爵と子爵、オルトとファルークの部屋を取ることができた。
鍵をもらって部屋がある三階へ行くと、三〇八号室にタンデルチェスト子爵とホッフマイスター侯爵が入り、三〇五号室にオルトとファルークが入り、ジェシーはジュリアスが借りている三〇二号室に泊ることになった。
『やっぱり荷物を取りにいきたいな』ジェシーが呟くと『先ほどエミア様に、ジェシーとティスが泊っていたホテルの様子を見に行っていただくようお願いしたので、そろそろ戻ってこられると思います』ジュリアスが表通りに面した窓を開けると、少ししてエミアが窓ガラスを叩く。
『お疲れ様でした。お茶を入れましたので、こちらにどうぞ』ジュリアスが窓際の椅子を進めると、中に入ってくる。
『どうでしたか?』エミアの前にカップを置くと『ダメね。怪しい奴が数名、ロビーと外にいたわよ』
『荷物を取りにいくことは難しいかな?』ジェシーが聞くと『やめたほうがいいわね』
『そうか……仕方ないな』貴重品は斜め掛けのバッグに入れて持ち歩いているので、金銭面での問題は起こらないが、身の回りのものがないので、全部揃えなければならない。
『ジェシー、心配ないですよ。ここはビジネスホテル。必要なものは、一階のショップで全部買えます』
『そうか。じゃあ、侯爵たちとファルークたちの身の回りのものを買いにいくか』
ジェシーは部屋から出るとそれぞれの部屋へ行き、全員で一階のショップへ行くと生活必需品を一そろい購入した。
『私たちの分まで申し訳ないね』買ったものを受け取るホッフマイスター侯爵が『私たちも、身の回りのものを館に置いてきてしまったから、現金もカードもないんだ』
『僕たちがなんとかしますから、心配しないでください』
部屋に戻ってシャワーを浴びた後、荷物が一揃いあるジュリアスとクレジットカードを持っているジェシーがホテル近くのスーパーで総菜を購入し、午後八時半にジュリアスの部屋に集まると、持ちよった椅子に座って食事を始める。




