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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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46-2 結界からの脱出

 

 一時間後、玄関前に集合すると、オルトが丸太小屋のドアにカギを掛ける。


「約四年、ここに住んでたから、ちょっと名残惜しいですね」


『また戻ってくることができるから、それほど気にすることはないよ』ホッフマイスター侯爵が声を掛けると、結界の出口へ向かって歩きはじめる。


 モヤが立ちこめる中、「森林の迷宮」を掛けた「土の貴族」のタンデルチェスト子爵が先頭を歩き、エミアがファルークと手を繋いで続くと、その後ろからオルト、ジェシーとジュリアスが続き、最後にホッフマイスター侯爵が歩く。


「あれ? この道はあの洞窟へ行く道ですよ?」最初にオルトが気付く。


『結界の出口を探しにいったとき、私が出口は洞窟の中だと言ったのを忘れたんですか?』ジュリアスが呆れるので「ごめん。間違ってると思ってたから」


『丸太小屋に戻りますか?』

「なぜ?」


『ここから出たくないのかと思ったので』

「そんなこと、一言も言ってないけど」


『ジュリアス、よく気が付いたね』先頭のタンデルチェスト子爵が振り向くので『「土の貴族」の紋章に使われるトラが、洞窟のほうを向いていたから、とだけ言っておきます』


「ああ、あの石碑のような石に刻まれてたトラか」思い出すオルト。「正面向いて口を大きく開けてたけど、あれで何がわかるんだ?」


『なるほど。あの事を知ってるのか』タンデルチェスト子爵は納得すると、向き直って歩いていく。


「ジェシーはわかるのか?」オルトが隣の彼に聞くと『まあ、一応』

「エエッ! 俺だけわからないの? 教えてよ」


『申し訳ないけど、シークレット事項の一つだから』

「俺だけ内緒なの? マジかよお」


『仕方ないじゃないですか。あなただけ人間なんですから』

『ジュリアス!』


「……いいよ。本当のことだから」チェッと言って捻くれるので、ジェシーがまあまあと(なだ)める。


『そういえば、そろそろ巨大ナメクジの徘徊時間じゃないですか?』空が夕焼け色になってきたので、思い出すジュリアスが焦りだすと『そうなの!』驚くジェシー。


「子爵があのナメクジを作りだしたんだから、現れても大丈夫だと思ったけど。そうですよね?」オルトが聞くと『ああ、大丈夫だよ』軽く返事をするので『それならいいですけど……』ホッとするジュリアスとジェシー。


『走って逃げればいいだけだから』


『全然よくないじゃないですか! ファルークは走れないんですよ!』ジェシーが抗議すると『大丈夫だよ。君たちが(おとり)になって引き付けてくれればいいんだから』


『僕はすでに追いかけられているので、二度目はイヤです!』

『ジェシー。誰も(おとり)にはなりたくないですよ』疲れたジュリアス。


 二名とも巨大ナメクジと遭遇しているので、また会うのかとゾッとする。


『体がネバネバしてるだけあって、結構しつこかったわよ』ジュリアスを逃がすために、巨大ナメクジの顔を蹴り飛ばして注意を引き、モヤの中を逃げ回っていたエミアがため息交じりに言うので『そういえば、あの時はありがとうございました』後ろからお礼を言うジュリアス。


『さすがエミア様ですね。ナメクジの顔を蹴り飛ばしたんですか?』苦笑するジェシー。


『褒められてるのかしら?』

『そう思ってください』


 二名の会話を聞いてファルークがクスクス笑うので、エミアに腕をつねられていた。


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