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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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46-1 結界からの脱出

 

  午後三時前、ホッフマイスター侯爵たちが起きるとソファで遅い昼食を取り、ジェシーたちはティータイムだったので、オルトが作ったスイーツとお茶を飲む。


『ここから出たら、カフェでも開く予定なのかな?』おいしそうに食後のお茶を飲むホッフマイスター侯爵。


「そうですね。領主の館の一階にカフェがあると、館で仕事してる人達に利用してもらえそうですね」キッチンの椅子を持ってきて、ラズベリーが入ったマフィンを食べているジェシーの隣に座る。


『確かに、いい収入源になるかもしれませんね』ブルーベリーのマフィンを取るジュリアス。

 ファルークは、マーブルのマフィンをエミアと一緒に食べている。


 その後、食べ終わったジェシーが『そろそろ、これからのことについて、行動を確認しておきましょうか』と話題を振る。

『本当は、お二方からこの森で起きてる異変の詳細をお聞きしたいのですが、時間もあまりないのと、結界の外にいる仲間と合流したときに話していただくほうが、より詳しく分析もできると思うので、今はここから出ることに話題を絞りたいと思います』


『承知した。ここから出る方法は我々が把握してるので、問題が起きていなければ時間はかからないだろう』と言うホッフマイスタ―侯爵が、リビングの壁に掛かっている時計を見ると『今、午後三時を過ぎたところか。オルト君、出発の準備にどのくらい時間が掛かるかね?』


「準備はできてるので、あと片付けだけです。元々明後日には出る予定でいましたから」

『そうか。では、一時間後に出発でも大丈夫かね?』


『ファルークの視力がまだ戻ってないので、それほど早くは歩けないです』エミアが状況を説明すると『ああ、そうだったね。では、彼に負担が掛からない速度で歩こう。他に問題はあるかね?』


 メンバーの顔を見回すと「この小屋はどうなるんですか?」オルトが聞く。「取り壊してしまうんでしょうか?」


『いや。ここはこのままにしておく予定だよ』答えるタンデルチェスト子爵が『まだ外の状況が安全じゃないから、緊急避難用として確保しておくことにしたんだ』


「そうですか。よかった。野生のヤギたちが毎朝餌を食べにくるので、いきなりなくなったらパニックを起こして暴走しそうだから、ちょっと心配になりました」と、冗談交じりに言う。


 実は、裏庭にペダルを踏むと餌が出てくる自動餌やり機を作っていた。


『それで思い出した。物資補給の日が明後日らしいので、早くここから出て止めてもらわないといけません』ジュリアスが問題を出すと『それは私が対応しよう』タンデルチェスト子爵が答える。


『ほかになにかあるかな?』ホッフマイスター侯爵が再度聞くと、『崩れた通路はどうしますか?』ファルークが口を開く。


『ああ、そうだな。出る前に直したほうがいいかな?』向かいのタンデルチェスト子爵に聞くと『そうですね。この先どうなるかわからないので、そのままにしておいたほうがいいかと。結界もこのままにする予定ですからね』


『そうだったね。なにかの拍子で通路を通られたら大変なことになる。この戦いが終わるまで、そのままにしておこうか。通れるようにすることはいつでもできるからね』


『それでは各自、出発する準備を始めてください』ジェシーが締めくくると立ち上がる。


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