46-1 結界からの脱出
午後三時前、ホッフマイスター侯爵たちが起きるとソファで遅い昼食を取り、ジェシーたちはティータイムだったので、オルトが作ったスイーツとお茶を飲む。
『ここから出たら、カフェでも開く予定なのかな?』おいしそうに食後のお茶を飲むホッフマイスター侯爵。
「そうですね。領主の館の一階にカフェがあると、館で仕事してる人達に利用してもらえそうですね」キッチンの椅子を持ってきて、ラズベリーが入ったマフィンを食べているジェシーの隣に座る。
『確かに、いい収入源になるかもしれませんね』ブルーベリーのマフィンを取るジュリアス。
ファルークは、マーブルのマフィンをエミアと一緒に食べている。
その後、食べ終わったジェシーが『そろそろ、これからのことについて、行動を確認しておきましょうか』と話題を振る。
『本当は、お二方からこの森で起きてる異変の詳細をお聞きしたいのですが、時間もあまりないのと、結界の外にいる仲間と合流したときに話していただくほうが、より詳しく分析もできると思うので、今はここから出ることに話題を絞りたいと思います』
『承知した。ここから出る方法は我々が把握してるので、問題が起きていなければ時間はかからないだろう』と言うホッフマイスタ―侯爵が、リビングの壁に掛かっている時計を見ると『今、午後三時を過ぎたところか。オルト君、出発の準備にどのくらい時間が掛かるかね?』
「準備はできてるので、あと片付けだけです。元々明後日には出る予定でいましたから」
『そうか。では、一時間後に出発でも大丈夫かね?』
『ファルークの視力がまだ戻ってないので、それほど早くは歩けないです』エミアが状況を説明すると『ああ、そうだったね。では、彼に負担が掛からない速度で歩こう。他に問題はあるかね?』
メンバーの顔を見回すと「この小屋はどうなるんですか?」オルトが聞く。「取り壊してしまうんでしょうか?」
『いや。ここはこのままにしておく予定だよ』答えるタンデルチェスト子爵が『まだ外の状況が安全じゃないから、緊急避難用として確保しておくことにしたんだ』
「そうですか。よかった。野生のヤギたちが毎朝餌を食べにくるので、いきなりなくなったらパニックを起こして暴走しそうだから、ちょっと心配になりました」と、冗談交じりに言う。
実は、裏庭にペダルを踏むと餌が出てくる自動餌やり機を作っていた。
『それで思い出した。物資補給の日が明後日らしいので、早くここから出て止めてもらわないといけません』ジュリアスが問題を出すと『それは私が対応しよう』タンデルチェスト子爵が答える。
『ほかになにかあるかな?』ホッフマイスター侯爵が再度聞くと、『崩れた通路はどうしますか?』ファルークが口を開く。
『ああ、そうだな。出る前に直したほうがいいかな?』向かいのタンデルチェスト子爵に聞くと『そうですね。この先どうなるかわからないので、そのままにしておいたほうがいいかと。結界もこのままにする予定ですからね』
『そうだったね。なにかの拍子で通路を通られたら大変なことになる。この戦いが終わるまで、そのままにしておこうか。通れるようにすることはいつでもできるからね』
『それでは各自、出発する準備を始めてください』ジェシーが締めくくると立ち上がる。




