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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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44-3 明かされていく森の謎

 

『それで、正妻も主張できなくて引いたのか』

『領主は一人と決まったわけじゃないから、俺は兄弟で助け合ってもいいと思ってる』


『ヘェ、そんな風に考えてるんですね?』感心するジュリアス。


『正直言うと、兄弟が欲しかったところに小さな弟がいると聞いて、すごく嬉しかったんだ。だから向こうの母親にも、将来は一緒に領主として国を守っていきたいと話してる』


『母親はなにか言ってましたか?』


『嬉しそうにしてたよ。男の子といっても体が弱くて寝込んでることが多いから、後継ぎとしてどうか疑問を持たれてて、不安になってたようだったから』


『そうですか』


『それで、肝心の前領主の彼の父親は大丈夫なんですか? 監禁された挙句、遠くの療養所にいるようなことを聞きましたけど』ジェシーが話を進める。


『それは私たちも確認してるよ。どうやら南側のメルクリオス国の領主、ナスコットの伝手で、どこか山奥の療養施設に入れられているらしい。精神的に良くない薬を打たれていたので、そのリハビリ施設だということらしいから、落ち着いたら迎えにいこうと話してるところだよ』

 そう言って向かいのタンデルチェスト子爵を見ると、同意と頷く。


『まったく、人間はやることが卑怯ですね』ジュリアスが吐き捨てるように言うので『人間ばかり、責めることはできないよ』タンデルチェスト子爵が(たしな)める。『我々の中にも、腐った考えを持つ者がいるようだからね』


『子爵。それは、私たちの中に、裏切り者がいるということですか?』怪訝そうに聞くジェシー。

『そう聞こえなかったかな?』悲しそうに返答するので『そんな……』


『子爵。なぜそう思われるのか、理由を教えてください』納得できないジュリアスに『君たちは疑問に思ったことはないのか? なぜ人間が、ここまで我々のことを知ってるのだろうか、と』


『それは……偶然だったと……』

『偶然だとは思っていないだろう?』


『俺も、どこかの貴族クラスの者が、向こうに付いてるんじゃないかと思ってる』話を聞いていたファルークが話に入る。『この国のこの森の中に、「風の貴族」のシークレット事項の一つである、王国との通路があることを知ってるのは限られた者だけだ。その中でも、あの通路の出入り口を見つけて爆破してしまうのは、人間ではないからな』


『なぜそう言い切れるんですか?』


『ジュリアス。前に一度、王国の入り口が人間に漏れて、侵略されたことがあるじゃないか。そんなことをする人間が、また王国への入り口を見つけたらどうなる? 爆破して通れなくするか?』


『それは……』


『でも、こういうパターンもあるんじゃないかな?』口を挟むジェシー。『人間が出入り口を見つけたので、通れなくするために誰かが爆破した』


『ジェシー。俺は爆破に巻き込まれて、土の檻に閉じ込められたんだぞ。その時、ここはすでに結界が張られてたんだ。だから、人間があの場所へ行くことはできないんだよ』


『では、ファルークはどうやってあの洞窟まで行ったんですか?』ジュリアスが聞くと『たぶん、ジュリアスとエミアが来た道と同じだろう』


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