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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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44-2 明かされていく森の謎


『それで、あのイベントで捕まってしまった仲間はいるんですか?』ジェシーが心配そうに聞くと『いや。我々が館の地下に閉じ込められたあとは、誰もいないはずだよ』答えるホッフマイスター侯爵。


『その前は?』


『その前は前領主が管理してたからね。この国での狩りは重罪という法律があったから、犠牲者はいないはずだよ』


『いませんよ』キッチンで料理しているオルトが代わりに答える。『幽閉しているフリをしてたけど、実際は逆のことをしてたんだ』


『逆のことですか?』ジェシーが聞き返すと『体力が戻るまで(かくま)った後、向かいの大陸へ逃がしてたんだ』


『領主自ら?』


『代々、王国との出入り口の一つを管理してた国として、領主と側近のみ、その任務を受け継いできたんだ』


『君は領主の息子だろう? だから君も、その任務を受け継いだんだろう?』


『僕は腹違いの息子なんですよ。父が昔付き合っていた女性との間にできた子なんです』


『エッ!』この話には、全員驚いて大声を出した。


『君には兄弟がいると聞いてたけど。確か兄がいるんじゃないか?』

『それは逆です。僕が兄になるんです』


『だよね。君の父親が結婚する前にできた子になるんだろう? そのあと、正式に結婚して息子ができたとしたら、君に兄がいることにならないからね。ああ、それで、君の顔を知ってる者が少なくて、写真や記録などの身元を証明するものがないのか』


『子供の頃の写真とかは、母と一緒に住んでいた家にあります。あることがキッカケで館に行くことになりましたが、週の半分は母がいる元の家に帰ってましたから』


『どうして母親と一緒に屋敷に……正妻がいるからか』

『そうです。さすがに母を置いていくわけにいきませんでしたから』


『でも、君がここに居る理由は、侯爵方が(かくま)ったからですよね?』


『ああ、そうだ。正妻の息子はまだ小さくて、領主の務めを(にな)うことができないので、両隣の領主が代わりに統治すると言いはじめたが、なんの因果か、そのちょっと前に父親の領主が彼の母親と会う機会があって、その席に彼が現れたものだから、領主の地位を引き継がせようとしてたので、狙われてしまったんだよ』


『そんな裏事情があったんですか』ジュリアスともども、信じられないという顔で聞いている。


『侯爵方のお陰で逃げることはできたものの、前領主が自分の後継者としてオルトの名前を公開してたから、両隣の領主たちは代理を立てるしかなかったというわけですね? しかし、正妻が黙ってないんじゃないですか? 小さいながらも男の子がいるんですからね。しかも正当な後継者ですよね?』


『実は少し体が弱くて、よく熱を出して寝込んでしまうそうなんですよ』オルトが答えるので『そうなのか。それでは領主として忙しいスケジュールをこなすことは厳しいな』


『成長すればよくなるだろうと主治医から言われてるそうなので、俺はそんなに心配はしてないですけど、でも、まだ小さいのに、ベッドから出られないのはかわいそうだと思いますよ』


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