44-1 明かされていく森の謎
『そんなにいるんですか! 挟みうちにあったら、確実に踏みつぶされてしまいますよ』踏みつぶされたところを想像してしまうジェシー。
『まあまあ、本物のクリーチャーではないから、食べられることがない分、安全ではあるがね』
『食べられなくても、少しも安全とは思えません!』
『ハハハハハッ。ところで、ジェシーはどこであのナメクジとあったのかね?』
『僕はティスともう一人の三名で、先日行われたこの森を舞台にしたイベントに参加したんですが、途中の町でティスが「螺旋の迷路」が張ってあることに気づいて、なぜこんなところに張られているのか、原因を探っているうちにそれが罠で、まんまと結界の中に閉じ込められてしまったんです。
なんとか脱出方法を見つけて出ようとしたとき、運悪く巨大ナメクジに見つかってしまって。
ティスを囮にして結界の出口を見つけられたので逃げ切れたのですが、大変でした。
でも、どうしてあんなところに「螺旋の迷路」を仕掛けたんですか?』
『あの結界に気付いてくれたのか。それは良かった』向かいのタンデルチェスト子爵と頷き『我々の仲間であれば気付くようにわかりやすく張ったんだが、うまくいったようだね』
『すみません、意味がまったくわからないのですが』
『あのイベントは、我々を捕まえるための罠だったんだよ』タンデルチェスト子爵が凄いことを言う。
『イベント自体が罠だと言われるんですか? さすがにそれはないと思いますけど。あのイベントは何年も前から行われているものですし、大勢の参加者が同じルートを走るんですよ? どこにどんな罠を仕掛けたと言われるんですか?』
『オイオイ、我々の仲間がどのように捕まってるのか、忘れたわけではあるまいね?』口を挟むホッフマイスター侯爵。
『エッ?……でも、誰も例のものを持ってませんでしたし、どこにも置かれてませんでした。なにをどこに仕掛けると言われるのですか?』
『森の中には、コースから外れないように、ポイントごとに監視員が配置されてるんだよ』
『そうでしたね。でもそれは、この森の中で行方不明になってしまう参加者がいるからではないのですか?』
『そんな怪しい場所で大勢が参加するイベントを毎年行うのは、おかしいと思わないか?』と子爵が聞いてくるので『でも、時間ギリギリくらいに再び現れて……戻ってくると……』
『戻ってきたのは人間だからだろうね』
『そんな絡繰りがあったんですか?』言葉が続かないジェシー。
『それでは、行方不明になると言われている森の北側にあの鏡を設置して、鏡が反応した者を拉致していたんですか?』エミアと一緒にお茶を持ってくるジュリアスが話に入る。
『正確には、狩っていたんだよ』エミアからカップを受け取るホッフマイスター侯爵。
『それで、戻ってきていない者もいると聞いてますが』子爵にカップを渡すジュリアス。
その時、オルトが裏庭で採ってきた野菜を抱えて家の中に入ってくると、キッチンで料理を始める。




