43-3 結界を張った森の秘密
『今ごろ、向こうはかなり焦ってるだろうね。我々が館から出たからには、ひた隠しにしてきたことが明るみに出ることになるんだからね』とホッフマイスター侯爵が言うので『それではティスとシルビアが危ないじゃないですか! お二方を見つけるために、絶対居場所を聞き出しますよ!』
焦るジェシーに『心配することはないよ。我々が動きだせば、その必要はなくなるからね』とタンデルチェスト子爵が言うので『それでは、シルビアたちを盾にとって、お二方の行動を止めにきますよ』
『その心配もないよ。私はあの屋敷の絡繰りを全部知ってるから、潜り込むことは造作もないからね』すごいことを言いだすホッフマイスター侯爵。『ここの領主と私たち「風の貴族」は長年交流があるから、あの屋敷を建てたときの話ももちろん知ってるんだよ』
『では、お二方が閉じ込められていた地下の部屋というのは?』
『あの部屋は、ドア以外のところから入ることはできるが、中から出ることができないんだよ。だから、あの部屋に入れられたときは、さすがに焦ったね』
『そうなんですか』
道の途中で足を止めて話していると、突然、『ホッフマイスター侯爵!』と、女性の大声が聞こえてきたので話を止めると、丸太小屋がある方の道の奥からエミアが飛んでくる。
『エミアじゃないか! どうしてここに居るんだね!』迎えるホッフマイスター侯爵が驚く。
『ご無事だったんですね! 心配してたんですよ! どこにいらしたんですか!』
『心配かけて悪かったね。領主の館の地下に閉じ込められていたんだよ』
『領主の館にですか?』
『そういうエミア様もどうされていたんですか!』ジェシーは別の意味で驚いている。『ショウから連絡が取れなくなったと聞いて、心配してたんですよ。そういえば、ジュリアスと一緒なんですよね?』
『まあ、ジェシー。ええ、一緒にいるわよ』
『ジェシー、話が見えないんだが、エミアがここに居ることは確かに驚くが、連絡が取れなくなっていたとはどういうことだね?』ホッフマイスター侯爵が聞くので『ここで立ち話もなんですから、目的地の丸太小屋まで行きませんか?』
『それもそうだね。しかし、エミアは丸太小屋のほうから来たが、もしかして、彼と会ったのかね?』
『ホッフマイスター侯爵。彼とは誰ですか?』ジェシーが聞くので、『ちょっと待って。話が重複しないように、全員揃ってから話をしましょう』止めるエミアが提案するので『全員ですか?』
『ジェシー。まずは腹ごしらえをしないか?』声を掛けてくるタンデルチェスト子爵が『喉も乾いたので、なにか飲みたいんだ』
『それもそうですね。丸太小屋に誰がいるのかも確認したいので、行きましょうか』
丸太小屋へ向かって歩いていく。




