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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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42-3 館のパーティ

 

 タンデルチェスト子爵はいつも笑顔を絶やさない温和なタイプなので、争いごとが大の苦手。そのため、極力、言い争いを避けてきたのだろうと推測することは難しくない。


「土の貴族」だったタンデルチェスト子爵は瘦身ぎみだが背が高く、ブラウンに近い赤毛をしている。かなり話術に長けているので、難しい交渉も穏便に話を終わらせることができる、ある意味強者である。


『「水の貴族」のジェシー君がいてくれたお陰で、館の敷地内から脱出することができたよ。ありがとう』満面の笑みで手を握る。


『お礼なら、僕たちを逃がす代わりに捕まってしまったティスとシルビアに言ってください』

『もちろん。このままにしておくつもりはないよ』


 どういうわけか、両隣の領主たちはジェシーたちがシルバーフェニックスだということを知っていて、館のパーティは、ジェシーたちを捕まえるためにわざわざ催されたものだった。


 そのことを知ったのは部屋に閉じ込められた後で、タンデルチェスト子爵たちがいる部屋へ連れていかれた後、ティスとシルビアが(おとり)となって引きつけている間に、ジェシーたちは地上へ上がると中庭へ行き、真ん中に馬車に乗る戦士の彫刻が水の中から飛び出してくる噴水へ走る。


 ジェシーはタンデルチェスト子爵たちを透明の膜の中に入れるとそのまま水の中に飛び込み、流れに沿って逃げると、噴水の水源が森の中を通る川だったため、川から出たら、そこは結界の中だった。


『やっぱり土の感触はいいね』タンデルチェスト子爵がしゃがんで足元の土を掴むと『踏み荒らされてないから、健康な土のままだね』


『彼のお陰で、地下室のエアコンを点けてもらえるよう話を付けてくれたから、視力を失ことがなかったよ』「風の貴族」であるホッフマイスター侯爵が、久しぶりに外の空気を吸って『ああ、外だよ。やっぱり自然の風は気持ちがいいね』と嬉しそうに深呼吸する。


 ホッフマイスター侯爵は貴族の中でもガッチリした体格をしている体育会系。黒い髪とヒゲを蓄えている。


『お二方を逃がすために、ティスとシルビアが囮となって捕まってしまいました。それはお二方から、今回の騒動の原因や、この森に複数の結界を掛けた理由を聞くためです』


『ああ、わかってるよ。こうやって外に出られたからには、騒動を鎮圧するべく、動くつもりだからね』そう言うタンデルチェスト子爵がホッフマイスター侯爵を見ると『我々は、この日が来るのをずっと待ってたんだからね。やっとその日が来て嬉しいよ』


『それでは、これからどうされる予定ですか?』


『そう焦るな』声を掛けるホッフマイスター侯爵。『館から出たあとのことは、ずっとティエリオと話をしてきたからね』


『作戦ですか?』


『フライシュ、夜は出歩かないほうがいいから、今夜はどこかの木の上で休もう』タンデルチェスト子爵がホッフマイスター侯爵に声を掛け、近くの大きな木の上を指さすと『それもそうだな。君が造ったサーバルキャットが徘徊する時間だ。襲われないようにしないとな』


『サーバルキャットですか?』目を丸くするジェシー。『この森に?』


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