41-4 謎の手紙と姿なき領主
『じゃあ、完成までまだ遠いな……』ティスがガッカリすると『なに言ってんだよ。検知する電波を検出できるようになったんだぞ。かなり進んでるじゃないか!』シルビアは逆に喜ぶ。
『そうですよ。まず、あの鏡を発見できる探知機を開発してくれているということが凄いじゃないですか!』ジェシーもシルビア同様、喜んでいる。『僕たちではどうすることもできないことをやってくれてるんですよ。依頼してくれたショウに感謝しないといけないですね』
「なに言ってるんだ。こんなことくらいで感謝なんかする必要ないよ」
『だよな? 人間の愚かな行為は、同じ人間が尻拭いするべきだ』
『ティス! いい加減にしろ!』
「シルビア、いいよ。俺にグチることで気持ちが少しでも落ち着くなら、いくらでも聞くよ」
そう聞いて隣にいるラルが驚き「そんなのダメだよ」と言うと「シッ」止めるショウが「いいから」と小声で返す。
「でも……」複雑な気持ちになるラル。
『そういえば前に、あの鏡を製造する工場が新しくできたらしいとか言ってなかったか?』思い出すシルビアが『縁の部分に記号みたいなものが彫られてるとかなんとか』別の話題を振る。
「そのことも調査してくれるように依頼してある。回収した鏡の縁になにも刻まれてないもの、刻まれてる場合はマークの種類と、鏡の特徴ごとに解析することも」
『マークが刻まれていないものは、今回の騒動の発端となった山奥から掘り出されたもので、マークが刻まれているものは比較的最近作られたものになり、前に話したときは、各貴族別に作られてる可能性があるようなことで終わっていたと思いますが』
「……まあな」
『おいおいおいおい、その間はなんだよ』いら立つティス。『もったいぶってないで話せよ!』
『まったく、いい加減にしろって言ってんだろう!』隣のシルビアが再度注意すると「君たちが各エレメンツごとに分かれてることを知ってる者が敵にいる可能性が高いから、どんな者が付いてるのか、そのことも依頼してる」
そう聞くとティスたちの表情が固まり、しばらく沈黙が続く。
『それで、調査内容は出たんですか?』ジェシーが小声で聞いてくるので「まだだ。けど、情報収集は順調に進んでると連絡をもらってる」
『……そうですか。引き続き、よろしくお願いします』
その後、また沈黙が続く。
なぜ敵は、各貴族ごとに反応する鏡を製造しようとしているのか、その意味をジェシーたちはわかっているらしく、あのティスでさえ表情を強張らせて黙っている。
「あるかわからないが、この国の領主の館は主がだいぶ前から不在だ。代わりにいる者は信用できるかわからないから、十分注意してほしい。本当は俺が行くのが一番安全なんだが、それができないから」
『ショウが行くことになったら、別の意味で危険度が増しますよ』
『いいじゃねえか。あのうるさいお嬢様の面倒を見てもらえばいいんだから。かなりご執心のようだしな』
「それは断る!」即答するショウ。




