41-3 謎の手紙と姿なき領主
『ティス、混乱してますよ。あの森には、元々「風の貴族」が管理してる通路があるじゃないですか』ジェシーが訂正すると『ああ、そうだな』
「ここまでのことをまとめると、まず、問題の森には「風の貴族」が管理してる王国との通路がある。
数年前から森のある場所で人が消えてしまう現象が起き、噂になっていた。
時を同じくして、前領主が何者かに襲われ、領主の座から失脚する。
息子が跡を継ぐが、なぜか姿を現さない。
そしてティスが、タンデルチェスト子爵と名乗る者から、ホッフマイスター侯爵とともに、ルナノヴァ領主の館の地下に閉じ込められているという手紙を受け取り、手紙に書かれていた国際刑事警察機構と繋がっている内通者を割りだし、連れてきた。
一方、結界が張ってある森を調査して秘密の入り口を見つけたジュリアスと、「風の貴族」のトップであるファルークがいるかもしれないということでエミアに同行してもらい、調査に行ったが、現在、連絡が取れない状態にある。
そして、重ねて掛けてある結界の中に、ルナノヴァの現領主であるオルトがいる。
こんなところか?」
『大きくまとめるとそうですね』頷くジェシー。
『ティスにはあとで、タンデルチェスト子爵から送られてきたという手紙の内容を説明してもらうからな!』隣のシルビアが睨みつけると『だから、本物かどうかわからないから黙ってたと言っただろう!』
『もういいじゃないですか。それより、そろそろパーティへ行く準備をしましょう。お嬢様を迎えにいかないといけませんから』ジェシーが睨みあっている二人の間に割って入る。
「大勢が参加するから大丈夫だとは思うけど、開催場所が領主の館だから、周りのものに十分気を付けてくれよ。特に、例の鏡があるとは思わないけど、ないとは言い切れないからな」
『わかってる。俺は調査員たちと行くから別行動になるけど、ジェシーたちはフレンティーヌお嬢様たちと同行することになるから、注意が必要だろうな』
「念のために、もしアクシデントが発生したら、知らせてくれる合図を決めておこうか」ショウが提案すると『じゃあ、調査員たちが持ってるアイテムを渡しとく。アクシデントが起きたとき、危険信号を出す発信機だ。あとで渡す』
『あの鏡に反応する探知機を、誰か発明してくれねえかな』ぼやくティス。
「それ、ショウがPFSの研究室に依頼してるよ」とラルが言うので『本当ですか!』『本当かよ!』と、同時に飛びつく。
「俺たちが救出活動してたときに同じことを思ってたんだけど、グループには依頼できないから、PFSの元同僚に話を持ち掛けたんだよ」
『それで、今どんな状況なんだ?』聞き急ぐシルビア。
「この前聞いたときは、例の鏡が発する特殊な電波を検出することに成功したから、これから分析を始めると言ってたよ」




