41-2 謎の手紙と姿なき領主
「なんでこんなところにビデオカメラが落ちてるんだ? また警告の看板を無視した人間が結界近くまで来て、巨大ナメクジに襲われたのか?」
ビデオカメラを拾うと持ち主の手掛かりがあるか調べ、その途中で「オッ、録画状態のままじゃん。そういえばさっき、ドスドス歩いてたな。じゃあ、ビデオカメラの持ち主を襲ったとき、あのでかい口にでも引っ掛かって、ここで落ちたのかもしれないな。まったく、しょうがねえな」
そう言うと録画ボタンを止めるので、映像が終了する。
映像を止めるショウが「誰か、奴を知ってるか?」と聞くと『なんで、入ることのできない結界の中にいる人間のことを知ってると思うんだ?』シルビアが突っ込んでくるので「エエッ。もうそこにいくのか?」つまらなそうに言い返す。
『まったく、さっきからちょくちょく意味ありげな言い方をしやがって、こいつがなにか重要なのか?』
「俺たちも、奴が出てきて疑問を持ったんだ。どうしてビデオカメラを拾うことができたのかって」隣のラルを見ると「さっきのピエロの仮面は私たち側の誰かだったけど、今度は人間だから、どうして同じ場所にいるのか不思議なの」
『確かにそうだな。あの巨大ナメクジのことも知ってるし、長いこと結界の中にいるみたいに慣れてそうだしな。ショウ、奴の映像を出してくれ』
「わかった」少し戻して、オルトがビデオカメラを調べているところで止める。
『そういやあさっき、結界を複数けてるから、誰かが隠れてるか隠されてるだろうなんてこと言ってたな』思考を巡らすティスが『そいつがその隠されたか隠れた誰かだとしたら、行方不明のオルトだ、とか言うんじゃねえだろうな』
「エッ!」「ウソッ!」大声を出してショウとラルが固まるので『おい、ウソだろう? なに大袈裟に驚いてんだよ』ドン引きする。
「ノートPCにダウンロードした人工知能に、人物像の解析をさせたの」説明を始めるラル。「名前はオルフェルト メンシス。ルナノヴァ国 第百五十五代目領主。約四年前、十七歳のときに父親の先代領主が暴漢に襲われ、入院中に行方不明となり、現在も消息不明」
『オルフェルトは前領主の弟の名前ですよ』ジェシーが訂正する。『でも、第百五十五代目領主は確かにオルトです』
「俺が調べた情報では、前領主に弟はいない。四人兄弟の末っ子だそうだ。そして、オルトには二つ年上の兄がいる」
『では、前領主の弟ではなく、二人兄弟の弟、ということですか?』意外、という顔をするジェシー。『普通、あとを継ぐのは長男だけど、末っ子が継いだんですか?』と、腑に落ちないらしく首を傾げる。
「なにか理由がありそうだけど、その情報は出てなかった。それにしても、情報がメチャクチャだな。どうりで振り回されるわけだ」
『お前ら冷静に話ししすぎんな!』割って入るティス。『あの森の結界は、オルトを匿うために張られたもんなんだろう?』




