41-1 謎の手紙と姿なき領主
『悪かったよ。でも、一緒に動いてる調査員の連中に情報として話したいから、どうしてオルトがいないのか、理由が知りたい。行方不明なのに、どうしているように仕向けてるんだ?』
『確かにそうですよね。次期領主が行方不明なら、両隣の領主たちが代わりに統治すると、その時言うほうが、まだ国民を納得させることができたのではないですか?』違和感を話すジェシー。
『その時は消息不明だったから、突然戻ってきたら、領主の座を渡さないといけないからだよ』ティスが説明する。
「生死がわからなかったために、判明するまで三年待ったというわけか」ショウが、まとめているリスト内容を更新していく。「行方不明になってから一定の年月が過ぎると、重要度によって死亡判定書が発行されることがあるんだ。国によって内容は変わってくるけど、この国は、三年で何かしらの判定が出たんだろう」
『とにかく、行方不明でも、オルトという人物は実在しているんですね?』確認するジェシー。
『案外、変装して近くにいたりしてな』また冗談を言うシルビア。
『そういえば、オルトってどんな顔してんだ?』ティスが聞くと『なぜか彼の鮮明な写真や映像が残ってないんですよ。だから、架空の人物なんじゃないかという憶測が生まれたんです』
答えるジェシーは、ジャーナリストとして動いているので、当然、姿を現さない領主のことは調べていた。『でも、生まれてからこの国にいるのに、誰も顔を知らないと言うのはなぜか、まだまだなにかありそうですよ』
『では、実在しているとわかった肝心のオルトは、一体どこにいるんだ? 父親が領主の座から退いたのに、なにをしてるんだ?』考えるシルビアに『時期を待っているそうだ』ティスが答える。
『時期? なんの時期だ?』
『それが手紙に書いてなかったから、確認するためにも来たんだ』
「おびき寄せられたみたいだな」
『なんだと!』モニター越しのショウに怒鳴る。
「どういうわけか、ここに各貴族のトップクラスが集められていることに気づいてるだろう?」
『みんなキラのメンバーで、この大陸に行くよう連絡が来たから、集められたというより集まったというほうが正解だろうな』反論するティス。
「ああ、そうだったな」
『なんだよ。その張り合いのない引き方は』
「まあまあ。ここで映像の続きを見てもらいたい」
『まだ続きがあるのか?』
「ああ」スタートボタンを押すと、映像が動きだす。
『ウワアアアアアアアアッ! 誰だ!』シルビアが叫ぶと、ティスとジェシーが弾けるように後ろにのけぞる。
それというのも、ラルも悲鳴を上げたあのシーン。
画面一面に顔のドアップが映っている。
『誰だよ! 脅かす……な……エッ? なんで人間がそんなところにいるんだ?』気付くシルビアが、モニターに映る男を見る。




