37-1 意外な場所
「ハ? なに言ってんだ? あの中にはファルークが閉じ込められてた土の檻しかないだろう?」
『いえ。あの中に出口があります』きっぱりと言い切るので「もしかして、奥の崩れた先にあるから、あの土砂をどかさないといけないとか言うんじゃないだろうな? あれは重機でもないとどかせないぞ」
『今は洞窟のどこに出口があるのかわかりませんが、出口はあの中にあります』
「そういう根拠は?」
『それはファルークが起きたあと、説明します』
「じゃあ、もう一つ。四つ目のハーブ園はどこにあるんだ?」
『それはおそらく、物資が運ばれてくる川の向こう側です』
「いやいや、川の向こう側はすぐに結界の壁があるから、あの先はいけないよ」
『そんなことないです。なぜなら、私たちは川の向こう側から来たんですから』
「そうなの! どうなってんだ? 俺が前に調べたときは行けなかったのに……なんで?」考え込むので『とにかく、出口の場所がわかったので、丸太小屋に戻りましょう』
「三つ目のハーブ園に行かなくていいのか?」
『行く必要なくなったので、いいです』
「あっそ」
『早く戻らないと、摘みとったミントが萎れてしまいますよ』
「ああ、大丈夫だよ。これは乾燥させてミントティにする分だから」
その後、二名は獣道を戻って、洞窟がある岩山の横まで来ると『こちら側から、洞窟の中に入ることはできないんですか?』ジュリアスが岩肌をペンペンと叩く。
「前に見て回ったときは、出入り口のようなものはなかったよ」
『そうですか』期待が外れて残念そうにすると、『そろそろ、お昼の用意をしないといけませんか?』と聞く。
「そうだな」オルトは腕時計を見て「あと二十分くらいなら時間あるけど、何をするんだ?」
『この岩山をグルッと回ったら、洞窟の出入り口に着くんですよね?』
「まあ、そうだけど、岩山の周りに道があるわけじゃないから、途中で通れなくなるぞ」
『そうなんですか?』
「当てが外れたか?」
『そうですね。仕方ない、戻りましょう』
そのまま真っすぐ丸太小屋まで戻ると、午前十一時半だった。
『けっこう時間が掛かりましたね』ジュリアスがリビングの壁に掛かっている時計を見ると「途中で寄り道するからだろう?」オルトはキッチンへ行くとハーブを洗い、平たいザルのうえに広げて、キッチン横のドアから裏庭に出ると木の台のうえに置き、戻ってくると昼食の準備を始める。
ジュリアスはキッチンの椅子を持って隣の寝室へ行き、エミアに帰ってきたことを伝えると、ファルークが起きないように部屋の反対側へ移動し、並んで座ると、調査してきたことを伝える。
『洞窟の中に出口があるの!』驚くエミアが大声を出してしまうので慌てて口を塞ぎ、ファルークが寝ていることを確認すると『じゃあ、私はここから出られないの?』と心配する。
エミアは洞窟の奥まで入れないので『どうしよう』と肩を落とす。




