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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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36-3 結界の出口のハーブ園

 

 無言で進んでいくと、突然、目の前に正方形の広場が現れ、ミント系の爽やかな香りが充満していた。


「ここはミント系のハーブだけが生えてるんだ」説明するオルト。

 

 正方形の広場を一周するように丸く道が作られ、両脇にいろんな種類のミントがぎっしりと生えている。


『いい香りですね』オルトのあとから歩いていくと、四隅にあると思われる円柱形の石を探すが、ミントが成長しているので見えないため『石柱を確認しにいっていいですか?』


「ああ、いいよ。俺はミントを摘んでるから、終わったら声を掛けてよ」持ってきた籠に近くのミントを摘んで入れはじめるので、ジュリアスは中心地に立ち、右前の石から確認することにした。


 ミントの葉をかき分け、柑橘系と思われる、握りこぶし大の黄色い果実が実っている木が周囲を取りかこむ手前まで行くと、円柱形の石を見つけ、前にしゃがんで調べはじめる。


 その石柱は長年手入れがされていないので(つる)植物が巻き付いているため、丁寧に取りのぞいて側面を調べると、この石柱には何も描かれていなかった。


 ジュリアスは立ち上がると右後ろの角にある石柱のところへ行き、同じように側面に描かれているものを確認するが、この石柱にも何も描かれていなかった。


 続いて左前のところへ行くと、石柱の側面に「風の貴族」の紋章に使われている、赤龍の絵が彫られていた。


(そういえば、ここは「風の貴族」が管轄する場所でしたね。だからオルトに、この場所を使うよう教えたんでしょうか)


 そして、念のために左後ろの石柱を見ると、ここも何も描かれていなかったので、広場の中心へ戻ると『オルト、終わりました』と声を掛ける。


「もう終わったのか? 早いな。もう少しで終わるから、ちょっと待っててくれよ」オルトは目的のミントを急いで摘み、ジュリアスのところへ戻ると「出口は見つかったか?」と聞く。


『そうですね。では、もう一つのハーブ園に行きましょう』

「行き止まりの道はいいのか?」


『今はいいです』

「そうか。じゃあ急ごう」


 二名は獣道を戻って大きな道まで行くとさらに戻り、先ほどジュリアスが左に分岐した道の先を聞いた道へ進む。


『この道は、洞窟の裏にあるハーブ園に行くんですよね?』


「ああ。正確には洞窟の先になるけどな。でも、どうして行くんだ? 出口はさっきのハーブ園にあるんだろう?」


『いえ。あそこではありませんでした』

「エエッ! 違うのか! じゃあ、これから行くハーブ園にあるのか?」


『たぶん、ヒントがあると思います』

「ヒント?」


『次のハーブ園に行けばハッキリしますが、ハーブ園は四ヶ所あると思います』

「いやいや、三ヶ所だって」


『いえ、四ヶ所です』

「……どこにあるってんだよ」

『それも、次のハーブ園でわかると思います』


 それから十分ほど歩くと左手に洞窟がある場所だろうと思われる石の山が現れ、そこからさらに十分くらい行ったところに二つ目のハーブ園があった。


 やはり、途中にある獣道のような細い道へ入り、進んでいくと、今度はローズマリーが植えてある広場に出た。


 ジュリアスはまっすぐ左後ろの角へ向かい、ローズマリーをかき分けて石柱の周りの草を抜き、側面を調べると、「土の貴族」の紋章に使われているトラの絵が刻まれていた。


『やっぱり』


「トラの絵のようだけど、なんでそんなもんが刻まれてるんだ?」ジュリアスの後ろから覗くオルトに『これで、どこに出口があるのか、わかりました』と言って立ち上がる。


「マジかよ! どこにあるんだ!」

『洞窟の中です』


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