34-3 ファルークの救出
『確かに、オルトの言うとおりだと思います』
「今は、早くここから出て小屋に戻ろう」
『ファルーク。土の格子は開けておいて大丈夫でしょうか?』
『通路の先に行けないんだ。大丈夫だろう』
ファルークが朝食を食べ終わり、お茶を飲んで落ち着くと、ジュリアスとオルトが椅子とテーブル、ランプを片付け、ファルークを真ん中にしてオルトとジュリアスがそれぞれ肩を貸すと両手を乗せ、「じゃあ行くぞ」声を掛けて歩きだすオルトの速度に合わせて、ゆっくり出口に向かって歩きだす。
「足元がデコボコしてるから、ゆっくり歩こう」声を掛けるオルト。
『あとは出るだけですから、焦ることはないですよ』落ち着かないファルークに明るく言うジュリアス。
一方、木の上で待っていられず、洞窟の出入り口前でウロウロしているエミアが、奥から話し声が聞こえてくると行けるところまで洞窟内へ入り、ソワソワしながら奥を見ていると、懐中電灯の灯りと懐かしい声が聞こえてくるので『この声は……』奥に行けないもどかしさでウロウロしていると、三名の姿が見えてくる。
『ファルーク!』
『その声は、エミア?』
ファルークが立ち止まるので『今、そちらまで連れていきますから』ジュリアスが声を掛けると「エミア様。こんなところまで入ってきて大丈夫ですか?」心配するオルト。
『エミアを知ってるのか?』
「当たり前だろう。爺ちゃんから精霊の話は聞いてるよ」
『ほら、話してないで行きますよ』
ジュリアスに促されてエミアの前まで行くと、ファルークは両手を広げ『エミア』
『捜したのよ!』腕の中に飛び込んでいく。
『心配かけてごめん』
『無茶しないでっていつも言ってるでしょう!』
「まったく、女性を泣かせるなんて、悪い奴だな」オルトが呆れるので『エミア様が見えるようになったんですか!』ジュリアスが驚くと「いいや。見えないし、なに言ってるか聞こえないけど、ファルークの腕の形と、言ってることを聞けば想像つくよ」
『ああ、そうですね』
「さあ、エミア様。ファルークにお仕置きする前に、小屋まで戻りましょう」オルトが声を掛けるとエミアが離れるので「巨大ナメクジに見つかる前に、あの境界線を越えないと」懐中電灯を消すとバッグにしまい、先に洞窟から出る。
その後、ファルークは右手でジュリアスの肩につかまり、左手はエミアと手をつないで歩く。
『ああ、空気の流れを感じる。本当に外に出たんだな』
『少しでも光が見えませんか?』ジュリアスが聞くと『まだ無理だな。暗闇にいた期間が長かったから、回復するまで時間が掛かると思う』
「焦ることないよ。最大の難関だったあの檻の中から出られたんだ。精神的にも楽になったろう?」振り返るオルトに『ああ。この気持ちを開放感て言うんだろうな』




