表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第二章 任務のパートナー
76/700

14 任務のパートナー

 

 半年後、キラたちは北欧のとある国へ来ていた。


 その間に三つの任務をこなして合計十七名の彼らを救出、グループのアテンダントに引き渡した後、次の任務に着く前に数日間の休暇をもらえたので大型ホテルに滞在して、夕飯後、最上階のラウンジで久しぶりに飲んでいた。


「この前、列車の中で会った、悪巧みを考えてた野心家の銀行マンたちはどうなったんだ?」


 何杯目かのウイスキーを頼んだあと、思い出したようにショウが聞いてくる。


「画廊を経営してる社長と一緒に逮捕されたわ」

「そうか。しかし、保釈金を払えばすぐに出てこれるからな」


「そうね。彼らは人権を認められていないから、ペットと同じ扱いにされてしまうのよ。だから、彼らを幽閉しても窃盗扱いにしかならない」


「大元の鏡を全部壊さないかぎり、狩りは終わらないな」

「……そうね」


「PFSで、どのくらいの鏡が残ってるか、発掘した研究室から資料をもらって、回収された鏡と照合して正確な数字を割りだしてる。その結果で先の見通しがわかるだろう」

「回収された鏡が本物か、わかる方法が見付かったの?」


「研究室でずっと鏡の分析をしてるんだが、ある特殊な成分が含まれてることが最近わかったらしい。それが回収された物に含まれてるかどうか、調べることで判別できるそうだ」

「そうなの」


「そこで聞きたいんだが、グループでは鏡の処分をどうしてるんだ?」

「証拠を残すために写真は撮ってるけど、壊してしまってるわ。老師のところにあったのも壊したでしょう?」


「あれは梱包(こんぽう)してPFSに送った。爆破したのは他の部屋に飾ってあった普通の鏡だ」

「なんですって!」


「黙ってて悪かったが、正確な数を出すために必要だったんだ」

「……別に、責めたりしないわ。で、調べ終わったらどうするの?」

「厳重に保管してる」

破棄(はき)してないの!」


「シッ」指を立て「心配するな。絶対外部に持ち出されることはない」

「心配よ。どうして壊さないの?」

「どういう仕組みになってるか、解明する必要があるからだ」

 キラはため息を吐くと「そんな情報をどこから仕入れたの? PFSの知り合いとコンタクト取ってるの?」


「友人の刑事からさ。お前も知ってるだろう? アルドの件を頼んだ奴だ」

「ああ、あの刑事さん。覚えてるわ。そう、連絡を取り合ってるの」

「たまにだけど」


「彼は何か聞いてきた?」

「俺がPFSを辞めた理由とか?」

「……ええ」

「聞いてきたよ」

「なんて答えたの?」

「独自で動いてる」


「それを信用してくれた?」

「まさか。けど、俺が言い渋ると、それ以上聞いてこなかったよ」

「そうなの。じゃあ、私のことは?」

「……お前のことは、話に出たよ。まだ消息は(つか)めないのか、と」


「フフッ、彼、気付いてるわね」

「たぶんな。だから、それ以降、聞いてこない」

「他の人に話したりしてないかしら?」

「それはない。きっと、俺が話すのを待ってると思う」

「いい友人ね」

「ああ、いい奴だよ」


 この後、二人は次々と任務をこなしていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ