33-1 次の行動
ジュリアスとオルトは空になったタッパーを受け取るとランプを片付け、懐中電灯を点けると『ファルーク。焦らなくていいですから』
『ああ、大丈夫だ』
「じゃあな。また明日」
『気をつけて帰れよ』
ファルークに見送られて洞窟から出ると、かなり薄暗くなってきていた。
『本当に、時間が進むのが早いですね』
「いやいや、けっこう長居したぞ」
『そうですか?』と言ったとき、また強い風が吹いてきて、少し離れたところにエミアが降りてきた。
『とにかく、早く戻ったほうがいいんですよね? 行きましょう』来た道を戻ろうとすると「ああ、そっちじゃない。こっちだ」
立ち止まるジュリアスに「よく見てな。そっちは行き止まりだよ」と言われて前を向くと、前に、オルトが洞窟から出てくるのをエミアと待っていた茂みに行こうとしていた。
『エエッ!』振り返ると、戻る道のところにいるエミアが驚いた顔をしているので『疲れているんでしょうか?』自己嫌悪に陥る。
「気にするなって。このモヤのせいだよ。時々、方向がわからなくなるんだ」
『そうだといいんですが、危険ですね』オルトのところまで引き返す。
丸太小屋まで戻っている間、これからの行動についてオルトと話を進めた。
「明日は先にハーブ畑に行くか? それともファルークのところへ行くか?」
『そうですね。ファルークのところへは、いつも何時に行ってるんですか?』
「大体、八時半くらいかな?」
『そうですか。では先にファルークのところへ行きましょう。あの土の格子を解除するスイッチが見つかっていれば、あそこから連れ出すことができますから』
「あのさ、話を進める前に教えてほしいことがあるんだけど」
『個人情報は教えられません』
「なにそれ。俺のことは話したじゃないか!」
『それは、最低限、必要な情報ですから』
「俺にとっても、ジュリアスが何者なのか、知る権利があると思うぞ。迂闊にこの森の情報を教えるわけにいかないからな」
『大部分、聞いたと思いますけど』
「ハーブ畑の場所は知らないじゃないか」
『それなら大丈夫です。行けますから』
「……そういえばさ、一緒に来た彼女、どこにいんの?」
『だから、誰ですか?』
「……今さら隠さなくていいよ。だって、ずっと後ろから付いてきてるだろう?」
オルトの言葉に驚くエミアが立ち止まるので『見えるんですか!』ジュリアスが確認すると「やっぱり」ニッと笑う。
『アッ、騙したんですか!』立ち止まると「まだ安全圏じゃないから、止まらないほうがいいよ」と言われ、歩きだすと「騙したまではいかないな。考えればわかることだし」
『どう考えたらわかるんですか?』
「だってさ。ファルークは「風の貴族」だろう? そのファルークを助けに来るんだったら、同じ風の仲間だと思うじゃないか。ジュリアスは違うようだけどさ。それに、洞窟に着いたときと出るときに吹いた強風。あれはジュリアスに向けた合図だったんじゃないか?」




