12 共同任務 その十二 完了
次の日の午前七時。
携帯の着信音で起されたショウが「はあい」寝惚けた声で出ると“いつまで寝てるの! 早く起きなさい! 置いてくわよ!”キラの怒鳴り声が返ってくるので「すぐ行く!」
大急ぎで着替え、荷物を持ってロビーへ行くと、キラたちはすでにチェックアウトを済ませてソファに座っていた。
「歯磨き粉が付いてる」顔を見るなり指摘され「エッ、本当?」手で拭くと「洗ってきなさい! 汚い!」怒鳴られて慌ててトイレに駆けこむ。
戻ってくると、アルバートたちがホテルから出ていくところだった。
先頭には見慣れない女性がいる。
彼らが手を振ってくるのでそれに応え「先頭にいる女性は誰なんだ?」キラに聞くと「彼らを迎えにきたグループのメンバーよ。朝食まだでしょう? カフェがあるわ。入りましょう」
モーニングセットのメニューが書かれている看板を指す。
中に入り、席に座って注文を済ますと「手伝ってくれてありがとう。今回も上手くいったわ」
「礼なんていい」
「私一人だったら、あんなに上手くいかなかった」
「おや、今回はやけに素直だな」
「あら、私はいつも素直よ」
「ウソ吐け!」
「何よ。人がお礼を言ってるのに、どうしてそういう言い方をするのかしら」
「イヤ、お礼なんか恐れ多くて」
「何を恐れるのよ」
「まったく、そうやっていつも突っ掛かる」
「いつも余計なことを言うからでしょう」
「ククククッ」
「何よ! また笑って!」
「イヤ、老師の屋敷にいたときとは別人のようだな、と思ってさ」
「当たり前でしょう。別人に成りすましてたんだから」
「……大変だな」
「エッ?」
「毎回あんな事するのか?」
「……時にはね」
「おっと、もうそろそろ鏡に仕掛けた爆弾が爆発してるころだ」腕時計を見る。
爆弾は、午前八時に爆発するようセットしてあった。
「早いわね。もうニュースでやってるわ」カフェの端に置いてある大型テレビを指す。
『金融業界で名を馳せている老師所有の複数の屋敷で、今日の午前八時に同時に爆発事故が起きました。爆発は小規模だったので建物に影響はありませんが、爆発の原因は今のところわかっていません』
レポーターの後ろに老師の屋敷の一つが映っているが、この角度からでは屋敷は何事もなく見える。
「屋敷は無事らしいが、老師の名声は地に落ちたな」
「地位が一番という人には、社会的制裁が一番効くわ」
「確かにな」
「でも、そんな事くらいじゃ足りないわ。また、どこかからあの鏡を仕入れてきて、狩りを始めるでしょうからね」
「……そうだな」
「結局、一時的な制裁を与えたに過ぎないわ」
「しかし、確実に鏡の量は減ってる」
「……そうね」
「で、次の任務はどこなんだ?」
「ここから東へ五つ行った国よ」




