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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
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4-2 再びご対面

 

 コツコツコツコツッ。

 部屋の前を急ぐ足音が通りすぎていく。


「ちょっと、あまりくっ付かないでよ」小声で文句を言うと「(せま)いんだからしょうがねえだろう」小声で言い返す。


 ただいまの状態、大きな段ボール箱の中。

 座っているショウの(ひざ)の上にキラが座り、さらにアンジュが座っている。


「それにしても変ねえ。この時間に見回りするはずないのに」考え込むと「見付かったんじゃねえか?」

「だとしたら、警備員の数が少なすぎる」


 その時、廊下の奥から「オーイ! 早く忘れ物を取ってこいよ!」

「置いてくぞ!」

「今行くよ!」

 走る足音が部屋の前を通っていく。


「何? 今の」

「忘れ物をしたらしいぞ」


 足音が遠ざかり、ドアが閉まる音がしたので段ボール箱から出ると「こんな時間に忘れ物を取りにきたというの?」

「そう言ってたじゃないか」


「変だと思わないの? こんな時間に、警備員でも交代しないわよ」

「飲みに行って帰ろうとしたときに、忘れ物を思い出して取りに来たんじゃないか?」


「こんな時間に?」

「こんな時間に」


「まったく、帰る前に荷物のチェックをしなきゃダメじゃないの。他の人に迷惑掛けたらいけないでしょう?」

「注意してきたらどうだ?」伸びをするショウをゴチッ。


「余計なこと言うと(なぐ)るわよ」(にぎ)(こぶし)を見せると「言う前に(なぐ)ってるじゃねえか!」


「オマケは静かにしなさい」

「オマケ?」


「アハハハハッ。お兄ちゃん、お姉ちゃんに頭が上がらないんだ」

「アンジュはお兄ちゃんの味方だろう?」


「ロリコンだろうが」

「何だと!」

「アーッ、またまた時間食っちゃったわ。早く戻らなきゃ」


 ブーたれているショウを無視してアンジュの手を取り、部屋から出て物置部屋まで急ぐと、ショウは文句を言いたいのを我慢(がまん)して大人しく付いていく。


 目的の部屋へ入って奥へ進むと、(つぶ)れた段ボール箱の上に、天井からロープが()れ下がっていた。


「地下一階に(つな)がってる」

「なんでこの段ボール、(つぶ)れてんだ?」


 ゴチッ。


「余計なこと言わない」

「なんで(なぐ)るんだよ!」


「時間がないの。早く行く!」

「わかったよ。アンジュ、おいで」


「一人で行く!」アンジュを引き戻すと「お兄ちゃんと一緒にいく」

「だってさ。おいで」キラの手から離れてショウのところへ()けよる。


(このままだと危ない)


「おい。今、変なこと考えてるだろう」

「……別に」


「ウソ吐け。顔に、こいつ絶対危ないって書いてあるぞ」

「余計な詮索(せんさく)しないで早くいく!」


「わかったよ」アンジュを抱き上げるとロープに付いている金具に足を掛け、取っ手に(つか)まるとボタンを押して昇っていく。


「邪魔よ! どいて!」


 あとから昇ってきたキラが、怒鳴りながらショウを蹴飛(けりと)ばして着地する。


「お前なあ!」

「文句を聞いてる暇はないの!」


 床を元に戻してドアを細めに開け、通路の様子をうかがうと、地下一階を左側へ向かって走っていく。


 アンジュを背負っているショウに合図を送りながら突き当りまでいくと、ドアを開けて中に入る。

 そこは倉庫らしく、大小さまざまな段ボール箱がたくさん積み重ねてあった。


「ここは備蓄(びちく)が好きらしいな」


「ここまで来れば大丈夫よ」ドアを閉めてバッグから小さなスプレー缶を取りだし、全身に掛けると「アンジュを降ろして」声を掛けると彼女にも掛ける。


「何のスプレーだ?」

「防臭スプレーよ。下水道を通るの」


 そのスプレーをショウに投げると、今度は小さな金属片を取りだしてアンジュの(ひたい)に付ける。


「それは何だ?」

「見てればわかる」


 少しして金属片が光りだすとアンジュの髪が銀髪から金髪に、グリーンの瞳がブルーへ変化していくので「どうなってんだ?」驚いて彼女の髪を見る。


「これで準備完了」


 部屋の奥にある重そうな金属製の扉を開くと「さ、行くわよ」先に中へ入るよう合図する。




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