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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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13-1 腑に落ちない結果


 電話を切ったジェシーは、近くにいる人にタクシーを呼びたいので、ここの住所を教えてほしいというと、今いる公園の名前を言えばいいと教えてくれたので、近くのタクシー会社を調べて電話をすると、ものの五分も掛からずに来てくれた。


 ティスに肩を貸して乗り込み、ショウが教えてくれた休憩所へ行くと、ティスと同じようにダウンしているエントリー者がけっこういることに驚く。


「ジェシー! どこに行ってらしたの!」目くじらを立てるフレンティーヌが、突然、目の前に現れたが、隣でダウンして横になっているティスを見て「もしかして、他の方たちと同じように、森の中で迷ってらしたの?」


『ええ、まあ、抜け出せなくて、大変でした』ジェシーが話を合わせると「そうでしたの。それは大変でしたわね」気の毒そうに言うので(この場合は、ティスがダウンしててよかったと思うべきかもしれない)内心ホッとすると「でも、わたくしに感謝していただきたいわ。あなたたちが森で迷っている間に、目的のフルーツを採ってきたんですもの」


『エエッ! 本当ですか!』


「そんなに大声を出さなくてもよくってよ」困惑した顔をするので『大声になりますよ。どこにあったんですか? どうやって採ってきたんですか!』


「あら、森を抜けた湿地帯側の道に、たくさん生えてましたわよ。ですから、一緒に行った皆さんと採ってきましたの」バッグの中からピンクの丸い果実を取りだすと、近くにいるほかのエントリー者数名も、バッグから取り出して見せる。


『……そんな簡単に見つかったんですか?』


「あら、事前の説明でも、そんなに難しいとは一言も言ってなかったとお聞きしましたわ」

『……そうでしたっけ?』拍子抜けしてしまって、その場に座り込む。


「でも、これで彼が来れば、イベント後のパーティに一緒に参加できますわ」と、ご満悦。


(そういえば、パーティには優勝者しか出席できないと言ってたけど、一人とは言ってない……みんなが優勝者ってこと?)


「それで、彼はいつ頃こちらにこられますの?」満面の笑みで聞いてくるので『……ああ、今夜聞いてみます』


「では、来る日がわかったら、メールを送ってくださる?」そう言い残すと、軽い足取りで飲み物を取りにいく。


(一体、このイベントの趣旨は何なんでしょうか)ドッと疲れてきたジェシー。


 しかし、森の謎が解けそうなので、フルーツのことは不問にすることにした。


 その後、目を覚ましたティスやほかのダウンしていたエントリー者たちは、休憩所に用意された大量の料理を食べて体調を戻し、無事にスタート地点に戻ってくると、森の中で迷わず、目的のフルーツを採ってきた人達を優勝者とし、後日、領主の館で行われるパーティの招待状をもらい、解散となった。


 疲れているジェシーとは反対に、元気を取り戻したティスと一緒にホテルに戻ると、シャワーを浴びて一息入れる。


『ジェシー、俺を囮にしてた間に、いろいろ調べたんだろう?』まだ根に持っているティス。

『もちろん、いろんなことがわかりましたよ』


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