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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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11-2 二重 三重の絡繰り

 

「確かに、シルビアの言うとおり、途中で行方不明になったチームの中で、同じ野ウサギや鹿が何回も出てきたとか、同じ果物や花が出てきたとか、そんな話をしてる人が多かったらしいよ」


「へえ、途中で昼寝でもして、寝ぼけてたのかもな」


「豪華景品が掛かってんのに、寝るか?」デザートのケーキを食べながら突っ込んでくるので「まあ、そうだよな」


「そうそう、その中でも、色に関して印象に残ってると言ってた人が多いらしい」

「色だって? 何色なんだ?」


「それがさ。金色なんだよ」

「金色!」


「ああ。金色のウサギや金色の果物。だから、すぐに同じだってわかったらしいよ」


「確かに、金色のウサギなら俺も欲しいよ」

「俺もだよ。なんかご利益ありそうじゃん」

「ああ、そのご利益にあやかりたいよ」


 シルビアは席に戻ると(間違いない、「螺旋の迷路」だ。しかも、掛けたのは「風の貴族」じゃない。ほかの貴族がまねして作った別物だ。ジェシーはこのことに気づいたか?)


 そう思うとコーヒーを飲みほし、席を立って応接室から出ると、内ポケットから携帯を取りだして電話を掛けようとするが、メールが来ていることに気づく。


「誰だ?」開けてみるとショウからだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 緊急のことなので、連絡した。


 イベントの取得アイテムであるピンクのフルーツを採りにいっていたジュリアスが、新たな仕掛けを発見したと言って、先ほど連絡がきた。


 森の北側に、「風の貴族」が掛ける「彷徨(さまよ)影狼(かげろう)」が張ってあるそうだ。


 このことから、ラルたちは、森に掛けられている結界が「土の貴族」の「森林の迷宮」と、「風の貴族」の「螺旋の迷路」、「彷徨う影狼」の三重結界であることが考えられると言ってる。


 そのため、森に隠れている者が「風の貴族」のトップ、ファルークだと判断した。


 そして、ジュリアスが例の森の中に入れる場所を見つけたので、エミアと一緒に行ってもらうことになった。


 彼を救助後、俺たちがいるところまで運んでくれるように依頼している。

 ラルの話から、視力が落ちているだろうと判断したからだ。


 こちらの更新事項は以上だが、シルビアの感想と、そちらで発見した新情報があったら教えてほしい。

             

                                 ショウ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『「彷徨う影狼」だって!』大声を出してしまったので、慌てて回りに誰かいないか確認すると、そのまま外へ出て裏路地に入る。


(どういうことだ? 「彷徨う影狼」は、敵の侵入を阻止するときに掛ける結界。もしかして……)


 シルビアの頭の中で、いろんなパズルのピースが組み合わさっていく。


(「風の貴族」の誰かが最初に「螺旋の迷路」を張って結界の中に隠れ、見張りとして「彷徨う影狼」を掛けた後、「土の貴族」の誰かが、その周りにさらに「森林の迷宮」を掛けたのか? だが、誰が何のために?)


 考える時間が欲しくなったので、シルビアは調査員のリーダーであるレグナルに、「調査のため、外出する」とメールすると、最近見つけたお気に入りのカフェに行き、中庭が見えるカウンター席に座ると、もう一度、ショウから来たメールを読みなおす。


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