7-2 共同任務 その六 体力の回復を図る(食事編)
彼らは最初ハンバーグに戸惑っていたが、食べられるものだとわかると、初めての味を味わうようにゆっくり噛みしめ、完食すると満足そうな顔をしている。
「足りたかしら?」
「もちろんです」二十代の彼が笑顔で答える。
「お腹いっぱい食べたのは久しぶりだわ」
「お野菜がおいしくて、サラダをお替りしてしまったわ」
笑顔で話をする女性たち。
「デザートがあるんだけど、入るかな?」ショウが聞くと「もちろんですわ」
「その分の余裕は残してあるもの」
「私も食べられる」
「僕も」
返事を聞いてショウが合図をするとメイドがお皿を片付け、デザートとお茶を配る。
「今日のデザートはババロアだよ。卵とミルクは大丈夫なんだよね?」
「大丈夫よ。フルーツが乗っているのね。おいしそうだわ」
「お兄ちゃん、お替わりある?」
「トニー、食べる前からお替わりできるか聞くのか?」二十代の彼が呆れると「聞く!」元気よく答えるので「わかった。シェフに聞いてくるよ」ショウが部屋から出ていく。
彼らが美味しそうに食べている間に、キラはホテルで受け取った小包を開け、一名ずつ体調に合わせて薬を選び、渡していく。
食べ終わるとデザートのお皿だけ片付け、ティーポットを受け取るとメイドたちを引き取らせた。
「お姉ちゃん、いつになったらママのところへ帰れるの?」女の子が聞いてくるので「元気になったら会えるわよ」
「本当?」
「ええ。だからお薬を飲まなくちゃ」
「うん」
「いい子ね。さあ、飲み終わったら歯を磨いて寝ましょう」
部屋のドアと反対側にある洗面所へ椅子を持って行くと一人ずつ連れていき、歯磨きが終わるとベッドへ連れていって寝かせる。
「お姉ちゃんたちもここで寝るから、なにも心配しなくていいわよ」女の子のベッド脇に椅子を持ってきて座ると「明日、お外に出られる?」
「そっか。ずっと地下にいたから、外に出たいよね」
「……ダメ?」
「そうね、もう少し元気になったら出られるようにしておくわ」
「本当?」
「ええ」
「お姉ちゃん、僕も外に出たい」隣のベッドにいるトニ―が声を掛けてくる。
「私たちも外に行きたいわ」向かいのベッドにいる女性二人に「あなたたちこそ、一人で歩けるようになるまで無理よ」
「……そうよね」ガッカリするので「ちゃんと薬を飲んで、睡眠を取れば良くなるわ」
「……そうね。良くるように頑張るわ」
「お姉ちゃん、手を繋いでいい?」
「ええ、いいわよ」手を繋ぐと、薬の作用が聞いてきたのか、女の子は少しして眠りについた。
「お兄ちゃん、僕も手を繋いでいい?」トニーが声を掛けてくるので「いいよ」手を繋ぐと「パパみたい」
「パパか。せめてお兄ちゃんにしといてよ」
「ヘヘッ」
「お休み」頭を撫でると、安心して目を閉じる。
(かわいそうに。まだ甘えたい盛りなのに、こんな所に閉じ込められて)




