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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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7-3 「風の貴族」

 

「エミアの話を聞くかぎり、だいぶ前から彼の、ファルークの消息が分からなくなってることがわかった。それは、キラのメンバーが、この大陸へ行くよう招集を掛けられる前からなんだろう?


 俺はこの大陸に来る前から、正確にいうとラルと行動を共にしてから、より君たちの行動が鮮明になってきてるので、その記録を残してきた。


 その中で、疑問に思うことがいくつも出てきたが、なぜか「風の貴族」と「火の貴族」に関してだけ、情報が入ってこないことに疑問を持ってた」


「それは、たまたま私が「水の精霊」のウィルシーと「風の精霊」のエミアを呼んだからでしょう?」ラルが説明すると「そうだと、俺も最初は思ってた」


『そういうことなのね』あることに気付くエミアに「なにか知ってるの?」ラルが聞くと『ラルは気付いてる?「風の貴族」と「火の貴族」の動きがまったくないことを』


「それは……」


「そういうことだ」手を動かしはじめるショウ。「二つの貴族になにかが起きてるんだ」


「なにが起きてるというの!」冷静さを失いはじめるラルに「その答えをくれるのが、ジェシーたちなんだよ」


「でも、ジェシーたちは結界に閉じ込められてるから……」と言って言葉を切ると「もしかして、そのことを予測してたの?」


「まさか」即否定するショウ。「でも、あの森に誰が隠れてるのか。もしくは、隠されてるのか閉じ込められてるのかわからないが、そのことがわかれば、見えなかったことが見えてくる」


 そう言ってキーを叩くショウを、ラルとエミアは黙って見ていた。

 きっと彼がこの疑問を解決してくれると、思わずにいられなかったからだ。


「ショウ?」しばらくして、ショウが手を止めて考えるのでラルが声を掛けると「まだ分析するための資料が足らないから、元の席に戻ってスイーツを食べてな」


「……でも」


「ほら、エミアも、まだ彼が主犯だと決まったわけじゃないんだ」

『こんな状態で食べても味がわからない』

「私も」と言って、動こうとしない。

 

「……わかった。まずはジェシーたちを助けなければならないから、現在の森とその周りの様子を見に、誰かを向かわせてくれないか?」エミアに言うと『……エッ?』ぽかんとした顔を向ける。


「エミア。まずはファルークを捜そう」ラルも声を掛けると『……ええ、そうね』


「大丈夫。きっと見つかる。いや、見つけるから」

『でも……彼が主犯だって……』


「それは、現段階での俺の予測の一部に過ぎない。だから、まずはジェシーたちを助けて、なにが起きたのか確認する必要があるんだ」


「でも、そうしたら、今回のイベントは勝者がいなくなるんじゃない?」考えるラルに「そうならないように、ジュリアスをメンバーから外して別行動させてるんだよ」


「そうなの!」

『ちょっと待って』止めるエミア。『私たちの知らないところでなにをしてるの?』



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