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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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6-3 情報の相違

 

「「火の貴族」だとしたら、隠れてる確率が低いが、カテリーナだとどんな結界を張るんだ?」

「それは……」


「俺には話せないか?」

「……ほかの貴族の情報だから、私が勝手に話していいかわからない」


「そうか。ある意味、情報漏洩になるのか。しかし、俺がそのことを知っても、どうすることもできないけどな。それより、「土の貴族」の「森林の迷宮」や「水の貴族」の「森の幻想」とか、話してくれたじゃないか」


「……だから、少し反省した」

「……わかった」


「……たぶん、「風の貴族」の誰かが掛けたんだと思う」

「いきなりどうした?」


「今の話の流れて、「火の貴族」が森で結界を張ることができないことに気づいた」

「なぜ?」


「「火の貴族」の結界は、街中や砂漠地帯など、蜃気楼や陽炎が起きるところにしか掛けられないから」


「単純な理由だけど、森だと燃やしてしまうからか?」

「違う。枯らしてしまうから」


「そっちか。で、「風の貴族」が掛ける結界はどんなものなんだ?」


「それは……」言い渋ると「ラル。もしかしたら、ジェシーたちが閉じ込められてしまったかもしれないんだ。

 森の中の結界に閉じ込められてる者の正体を確認しに行くように、二人を行かせたのは俺だ。

 しかし、別の結界が張ってあるとは思いもしなかった。

 だから、早く手を打たないと、無事に戻ってこれるかわからないんだ」


 隣に座っているラルに知りたい理由を説明すると「「風の貴族」は今まで関わってこなかった。しかし、ここで突然出てきたことは、ジェシーたちも思ってもみなかったことだろう。俺も、まったく考えてなかった。しかし、ここで関わってきたということは、例の森にいるのが誰なのか、また別の可能性が出てくる」


「別の可能性? 誰だというの?」

「「風の貴族」のトップ、ファルークだ」

「ファルークが!」


「たしか彼も、行方不明だと言ってたな」

「えっと、前にシルビアが言ってた」


「まずいな。そうなると俺の予測が変わってくる」ショウはノートPCに向き直ると、計画書を書いたシートを表示し、図式を変えていく。


 横からのぞき込むラルが「予測装置の集大成図」と言うので「人を機械にするな」ショウが言い返すと「装置が反論した」と言うので「そうか。今夜、寝かせないぞ」


「なんでもない!」

「もう遅い」


「ぽんぽこ!」と言うのでショウは手を止め「ラル。その「ぽんぽこ」はやめよう」

「……どうして?」


「使う場所が間違ってるからだ」

「じゃあ、どういうところで……」

「使わないの」


「……なんで?」

「使わないの。わかった?」

「……わかんない」


「……今夜、寝かせないことが決定だな」

「わかった! 使わない!」


「本当だな?」

「本当!」

「……わかった」と言って向き直るので、ホッとするラル。


(寝ないと体調が良くならないから、そうなると、また先生から怒られるし、移動許可がもらえなくなるので、ショウから「置いてく」と言われる)ムッとした顔をして、PCのキーを叩いているショウを見る。


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