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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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5-2 「螺旋の迷路」

 

『……それって……』ジェシーは考えると『一向に近づかない森は……フェイク』

『そういうことだ、というより、そこから「螺旋の迷路」に入ったということだな』


『僕たちは、すでに例の森の中に入ってる』

『そうなるな』


『いつ、「螺旋の迷路」に入ったと気付いたんですか?』

『あのパン屋と同じ、同じ犬が何回も出てきたことに気づいたときだ』


『犬ですか?』

『ああ、同じポメラニアンが何匹もいたんだ』


『どうして同じだとわかったんですか?』

『わからない奴はいないと思うぞ。同じひまわりの帽子をかぶってたからな』


『ひまわりの帽子?』首を傾げるので『ああ、こう、顔の周りに黄色い花びらが付いたやつ』手で帽子を再現すると『……何匹出てきたんですか?』呆れるジェシー。


『三、いや四匹だったかな?』

『じゃあ、あのまま進んでたら、巨大ナメクジが出てきて、みんな食べられてたかもしれないんですか?』


『向こうに付いてる奴は助かったかもしれないけどな』

『やっぱり、エントリー者の中に、向こうに付いてる者がいますか』


『ジェシーも気付いてたんだろう? お嬢様をカフェで休ませるために、最初に声を掛けたんだから』


『まあ。スタートしてから、ずっと僕たちの後ろを走ってるのが気になったので』


『それで、お嬢様と一緒に休ませて大丈夫か?』

『大丈夫じゃないですか? お嬢様も向こうに付いてるうちの一名ですから』

『まあな』納得と頷く。


『それで、とても森の中にいると思えないんですが』周りを見ると『これからどうしますか?』


『それなんだが、選択は二つ。結界をぶち破って先に進むか、お嬢様たちが休んでるカフェに戻って、向こうがしびれを切らすまで、まったり休んでるか』


『休んでたら優勝できませんよ』

『そもそもイベントが中止になるだろう? 俺たちが動かないんだから』


『それはそうですが、そうなると、ショウから言われた計画が進まなくなりますよ』

『いいじゃねえか。人間が考えた計画なんか、潰れたって問題ない』


『わかりました。では、ここでチームは解散しましょう』

『どうして!』


『僕はショウを信じてますから、相反するティスとは行動を共にできません。従って、チームを解散します』


『失格になるぞ』

『問題ないです。例の花を取ってくればなんとかなるでしょうから』


『無理だと思うぞ』

『やってみなければ、わかりません』


『そもそも、その花を取りに行くには、「螺旋の迷路」を解かないといけないんだぞ』

『そうですね』


『そうですねって、簡単に言うが、できるのか?』

『できないことはないと思います』


『強気だな。結界を解いたことがあるのか?』

『何回か』


『そうはいっても、「螺旋の迷路」は「風の貴族」のトップが掛ける結界だぞ』

『僕も「水の貴族」のトップですから、本気でやれば、なんとかなると思います』


『……そうだった』


『それでは、お疲れ様でした』と言うとジェシーは道の先にある、何回も出てきていい匂いをさせているパン屋のところまで行き、ドアを開けて中に入ると、ティスが慌てて付いてくる。


『ジェシー、無茶するな!』


『邪魔しないでください!』と言って深呼吸すると、両手の平を顔の前にかざし


『我が水の流れ、()き止めし「風の(ふた)」を()けよ!』


 今度は両腕を前に伸ばして掌を前方に向けると、ジェシーの両手から大量の水が噴きだし、店の奥の作業部屋が見えるように張られているガラスを突き破る。


 

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