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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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3-2 近づけない森

 

 それからしばらく同じような風景の町中を走っていると、先を走っていたフレンティーヌがジェシーたちのところまで下がってきて「全然森に近づけませんけど、運営委員会からの説明はどのようなものでしたの?」と聞いてくる。


 相変わらず、額にうっすらと汗を掻いてはいるものの、きれいに化粧した顔は変わらず、息もそれほど上がっていない。


(人間の世界には、鋼鉄の肺が売ってるのか?)


 汗を拭くティスが横目で隣に並ぶお嬢様を見ていると、ジェシーが『運営委員会の説明では、森に入ってからの注意事項が主だったので、町中のことは説明ありませんでしたよ』


「まあ! 説明がありませんでしたの! 不親切ですわね!」


 フレンティーヌがジュリアスと交代してチーム入りしたのは昨日のイベント説明会前だったが、美容院の予約が入っているから説明会に出席できないと言ってきたので、ティスと二名で出席していた。


『とはいえ、これではイベントにならないので、なんとかしないといけませんね』

「早くなんとかしてくださらない? いい加減、喉が渇いてきましたわ」


『ほら、この先の右側にカフェがあるから、そこで一休みしろよ。俺たちはこの現象の原因を調べてくるから、それまでゆっくりしてればいい』


 ティスが提案すると「そのようなことをしたら、棄権したことになりませんの?」相変わらず、上から目線の言い方をするフレンティーヌ。


 父親になにか言われてきているらしいことはジェシーたちも知っているが、一名でも反則で退場させられると全員失格となるので、それは避けなければならない。


 グランチェストの魂胆もショウは予測しているので、途中で変更されてしまうと、こちらの作戦に大きな穴が開いてしまうため、フレンティーヌには最後まで行ってもらい、その先の、優勝して領主であるオルトの屋敷でなにを企んでいたのかを暴露することになっているので、慎重に対応する。


『それなら、周りのエントリー者たちと一緒に休憩すれば大丈夫ですよ』と言うジェシーが、後方を走っているほかのエントリー者に声を掛け、順番に話をしていくよう伝えると、カフェの前で止まりはじめ、お互いの顔を見合う。


『ではお嬢様、このカフェで少し休んでください。この国はジュースがおいしいらしいですよ』ジェシーと一緒に止まるフレンティーヌが「まあ、そうですの? 皆さん、一緒にお休憩いたしましょう」


 フレンティーヌが店先の席に座ると、ほかのエントリー者たちも空いている席に座り、注文を始めるので、その光景を確認するティスが『ジェシー、行くぞ!』声を掛けて脇道へ走っていくので、ジェシーも後を追って細い路地へ入っていく。



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