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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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2-1 「予測装置」の本領発揮

 

「ジェシー。俺たちがそっちへ向かえるかは、イベントの次の日の月曜に、先生の診察後の判断で決まる。OKが出れば翌日には出発できるが、そうでない場合は、プランBへ作戦を変更することになる」


『わかりました。それで、出発できそうですか?』


「なんとも言えないな。ラルはだいぶ良くなったから大丈夫だと言ってるが、少し動くとダルそうにしてるから、まだ体力が戻ってないんだろう。途中で倒れでもしたら動けなくなるから、慎重に行こうと思ってる」


『責任感の強い彼女らしいですが、少しは自身を(いた)わってほしいですね』


「そうだな。まあ、無茶はさせないようにしてる分、計画どおりにいかないところの調整が、常に必要になってくる」


『そのカバーはできるだけ対応します』

「悪いな。ジュリアスやシルビアにも、情報を共有しておいてくれ」

『承知しました』


『ちょっといいか?』ティスが話の区切りで声を掛けてくる。『今時点の見解でいい。カテリーナ、「火の貴族」の彼女はどこにいると思う?』


「それは……たぶん、あそこにいると思う」


 あまりにも意外な返答に、ティスだけでなくジェシーも驚き『どこからその発想が出てくるんですか?』聞き返すと「いろんな情報をすり合わせて、予測しただけだ。彼女のことは別途調査してるが、今回の計画が完了したあとに、細かく調べる予定だ」


『エミア様たちが動いてくださってるんですか?』

「いや。ウィルシーたちフロス アクアエ(水の精霊)に動いてもらってる」

『女王ウィルシーが!』


「そうだ。けっこう情報を取ってきてくれたから、彼女の居場所も予測できた。今回の件のあと、エミアたちにも調査に加わってもらう予定だ」


『その予測から、カテリーナは、無事だと思うか?』ティスが冷静に聞こうとしているので「そうだな。彼女は無事だとは思う」


『なぜそう思う?』


「こう言ったら怒るかもしれないが、カテリーナはラルと同じ年くらいなんだろう?」


『ああ、そういう理由か……』ティスがため息を吐く。

「あくまでも、予測範囲内だ……」


『……わかってる。でも、生きてる可能性があると言われるほうがいい』

「そうか……」


『それにしても、本当に、あなたはどこまで先読みできるんですか?』感心するジェシーに「それ程ではないさ。まあ、ラルからは「予測装置」と言われてるけど」


『アハハハッ、「予測装置」ですか! いつからマシンになったんですか?』

「とりあえず人間だからな」


『彼女もうまいネーミングを付けますね!』ツボに入るジェシー。


「シルビアが「記憶装置」と呼ばれてることを知って、付けたらしい」

『僕が言ったことがキッカケだったんですか?』


「そうらしいな」

『それはすみません』



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