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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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1-3 イベントの参加者

 

『本当にオルトが招待したのか?』疑問を持っているティスに『そのことも今回、確認できますよ』


『しかしなあ、本当に……』

『ティス、ダメですよ』

『わかってるよ。でも、あまりにも信じられないからさ』


『それは僕も同じですが、ショウが曖昧な憶測で、計画を立てることはないと思いますから』


 それから間もなく休憩時間が終わり、再びピンクのフルーツ シンチェリタス採取目指して走りだす。


『休憩所からすぐに森に入ると思ってたのに、けっこう距離があるな』額に汗が(にじ)んでくるティス。


 走りはじめてから三十分くらい経つが、前方に見える森にまだ着かない。


『それだけ例の森が大きいということですよ』並走するジェシーが隣のフレンティーヌを見ると、たいして息も上がってなく、きれいなフォームで走っている。


(ショウがそのうちお嬢様の真の姿を見ることになると言ってたけど、この時点で片鱗が見えてきたみたいですね)


 そのことは、反対側を走っているティスも感じているようで、ジロジロ見ないように気を付けながら、お嬢様の様子をチェックしている。


 この時点でもジェシーたちはエントリー者たちの中で中間より少し上のポジションをキープして走っているが、自分たちを監視するような妙な視線は感じない。


(本当に、僕たちを罠に掛けようとする者が現れるんだろうか?)


 このこともショウからの注意点として言われていることだが、自分たちの正体が領主のオルト側にバレていると言われたときは、なぜバレたのか? という疑問が、撤退しなければ、と思うより強く、すぐに聞き返した。


「実は、ティスが連れてきた刑事二人を動かしてる黒幕と、ルナノヴァ国を含む三国の領主たちとの情報交換の記録を手に入れたんだけど、俺たちが知らないことが水面下で起きてるらしく、そのことに対しての計画に、ジェシーたちが利用されることになったらしいんだ」


『国際刑事警察機構の誰かと三領主が、秘密裏に情報交換しているというんですか!』


「どうやらそうらしいんだ。俺もその情報を掴んでビックリしたよ。だから、この大陸に国際刑事警察機構が踏み込まないのか、と、ある意味納得したね」


『そういう構図ができてるんですか? 呆れますね』落胆のため息を吐くジェシー。


「そこでだ。だったら、こっちもそのことを利用して、計画を立ててやろうかと思ってね」

『賛成です!』


『俺を利用するなんて、ふざけたことをするなら痛い目に遭わせてやるぞ』自分が声を掛けて連れてきた馴染みの刑事が、自分を罠に掛ける手助けをしていると聞いて、怒りが沸いてきているが、反面、やるせない感情で肩を落とすティス。


「気持ちはわかるが、あまり気落ちしてる暇はないぞ」

『わかってるよ』



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