59-2 集められている貴族
「そのことを踏まえて、明日行われるイベントに参加するメンバーを見ると、最初は「水の貴族」の三名でエントリーする予定だったが、シルビアが抜けて、その代わりに「土の貴族」のトップであるティスが入った」
「シルビアが抜けたのは偶然でしょう? 組織の調査員と合流することは偶然だったんだから」
「抜けたのはシルビアじゃなくてもよかったんだ。ジュリアスでもジェシーでもよかった。ただ、「水の貴族」だけじゃなくて、「土の貴族」をメンバーに入れたかったんだよ」
「誰が?」
「決まってんだろう? 例の三領主だよ」
「どうして人間である領主たちが、エントリーするメンバー全員が「水の貴族」だとわかったの?」
「まあ、その説明はあとでするから、とにかく、シルビアが抜けてティスが入った」
「アッ! ティスと一緒に来た刑事! ティスと同じ国際刑事警察機構の所属なの?」
「たぶんな。だから、ティスが誘いやすかったんだ」
「じゃあ、ティスと別行動で情報収集してるっていうのは、ウソ?」
「その可能性が大きい。だからさっき、ジェシー宛に、刑事二名の行動を極秘で確認するようメールしたんだ」
「そういえば、ティスが二人の刑事と別行動してたから、変だなって思ったの」
「だろう? あの時は俺も変だと思った。けど、あの時はジェシーたちもいたし、それほど重要だと思ってなかったから聞かなかったんだが、今となっては、刑事たちのことを聞く必要が出てきた」
「だから、国際刑事警察機構のHPが出てきたのはわかるけど、どうして投書欄……まさか、あのページで情報交換してたの? 誰と?」
「だから、三領主だろう?」
「アアアアアッ! ルナノヴァにいたらダメじゃないの!」
「ラルの体調が良くなってたら、俺たちもルナノヴァに行ってたから、危なかった」
「……医者の先生に怒られることばかりしてて、良かったの?」ラルが困った顔をすると「今となっては、先生が許可を出してくれなかったことが良かったってことになるな」と言われ「う~~~ん、う~~~ん」
「まあ、ラルからしたら、唸りたくなるよな」
「すごい複雑な気分。それで、三領主の目的はなんなの?」
「例の森に隠れてる、誰かを捕らえることなんじゃないか?」
「じゃあ、あの森に結界が張ってあることも、その結界が「森林の迷宮」で、それを解くことができるのが「土の貴族」だということを知ってるというの?」
「だから、ティスをメンバーに入れたんだよ」
「隠れてると思われてるカテリーナを捕まえるため?」
「まだ彼女だと決まったわけじゃないだろう? もしかしたらジェシーたちの父親、シェフィールド侯爵かもしれないし、ティスの双子の弟のティシャかもしれない」
「確かに、まだ誰が隠れてかわかってないけど」
「しかし、十中八九、誰かいるはずだ」
「うん、私もそう思う」




