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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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59-1 集められている貴族

 

 一時間近く経つと投書欄の確認が終わり、その後、ジェシーあてのメールを作成して送信すると、ようやくショウがモニターから目を離して、冷めてしまったお茶を飲んでため息を吐くと、隣にいるラルに気付き「どうした?」と声を掛ける。


「どうしたって、私が言うセリフだよ。突然黙りこんだと思ったらノートPCで検索しはじめて、なにを調べてたの?」


「ああ、これか」ノートPCのモニターに映る投書をコピーしたメモを見ると「どうして国際刑事警察機構のHPなんか調べてたの? しかも投書欄。なんで投書を見てたの? コピーした投書はなに?」


「そうだな。どこから説明するかな?」ショウは考えると「まず、今回ルナノヴァに集まるメンバーの中で、人間が誰かを考えたんだ」


「どうして?」

「決まってるだろう? 捕まえても意味がなからだ」


「……それで?」

「そうなると、人間なのは俺と、レンは隣国だけど、今回は必要だからカウントする。組織の調査員とティスが連れてきた刑事二人。俺たち以外は全員SP、シルバーフェニックスだ、と言うより、全員なにかしらの貴族だ」


「アッ……気付いてたんだ」


「気付くだろう。これだけ「なんとかの貴族」って言葉が出てくれば、貴族だらけじゃねえかって思うぞ」


「……まあね」


「その中でも「水の貴族」と「土の貴族」のトップがいる。そしてラル、お前も行くからには「空の貴族」のトップもいることになるだろう?」


「エッ? 今なんて?」


「お前は「空の貴族」と呼ばれるポジションなんだろう? 実際にはどう呼ばれてるかわからないが」


「それは……」


「まあ、ラルは今回飛び入りだったから、奴らの計画には入ってないだろう」

「私が飛び入りだった?」意味が分からないラルが首を傾げる。


「奴らの狙いが「水の貴族」と「土の貴族」だったから、おびき寄せる中にラルはいなかったんだ」

「奴らの狙い?」


「そうだ。今回、やけに「水の貴族」と「土の貴族」の名前が出てたので、ちょっと違和感があったんだ。


 特に「水の貴族」関しては、トップのシェフィールド侯爵が行方不明で、娘のシンシアと息子のジェシーが時期をズラしてこの大陸に来てる。


 しかも、ジェシーと一緒に「水の貴族」ランキングセカンドのシルビアまで一緒に来てる。ジュリアスはサードクラスだと、あとでジェシーから聞いたよ。


 禁足地の件を考えると、「水の貴族」とこの大陸、特にご老公との繋がりが気になった。


 親交はだいぶ前から始まってたと考えられるからには、この大陸は、元々お前たちの敵ではなかったんじゃないか。

 逆に、味方となって動いてたんじゃないかという発想がでてきて、その線で考えてみたんだ」


「この大陸が、私たちの味方だった?」あまりにも突拍子もないことを言われて、ポカンとするラル。



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