54-2 禁足地の謎
「やっぱり隠し通路があったんだ」
“ ちょっと、それ、どういう意味? 王国と繋がる通路? 人間の世界と? ラル、本当なの! ” ビックリ仰天のミランド。
「その通路を通って、シンシアのお父様、シェフィールド侯爵は、人間界の裏の支配者の一人と言われてる、アルビオン国の領主であるご老公と知り合い、懇意の仲となったんでしょう?」
“ 知り合いだった? シェフィールド侯爵とご老公が? 昔から交流があったの? ”
「そうらしいの。今、シェフィールド侯爵も行方不明になってて、行方を捜すために、シンシアが隠し通路がある禁足地に行って、手掛かりが残ってないか、調べてたんでしょう? その時、何者かによる工作だと思うけど、異臭がしはじめて、その影響を受けて倒れたシンシアを、ご老公の配下が見つけて、領主の館に連れてきたのよね?」
“……どうやって調べたの? “
「その時はもう、エミアたちに動いてもらってたの」
“ ああ、そうだったわね。イータル ヴェンティの二名に見つけてもらったんだった ”
“ そう。私の手鏡を持って飛んでくれたんだよ ”
“ あの二名には、お礼を言わないといけないと思ってたの。危ないところを、ミランドと一緒に助けてくれたから ”
「私が代わりに最大のお礼をしてるから、大丈夫よ」
“ 最大のお礼ってなに? ” ミランドが探るように聞くので「あらっ? 知ってるでしょう? ミランドもショウから頼まれごとをされたとき、お礼の代わりにリクエストしてたじゃない」
“ ああ! あれね! そういえば、イータル ヴェンティの彼女たちも、おいしそうに食べてたわね ”
「だから、お礼のことは心配しなくていいから。それより、隠し通路のことを、知ってることでいいから話してくれる?」
“ それは……”
「もしかして、「水の貴族」の中のシークレット事項?」
“ 実は……そうなの ”
「なるほどね。だから会ったとき、話してくれなかったんだ」
“「水の貴族」の中のルールだから……”
“ でも、今はそんなこと言ってる場合じゃないよ。禁足地にある隠し通路のことが人間にもれたら、王国はまた危機に晒されるんだよ? ” シンシアの隣でミランドが説得する。
“ ラル、少し時間をもらえるかしら? 少し考えをまとめたいの ”
「もちろん。でも、あまり時間がないから、急かしたくないけど、早めに連絡もらえるかな?」
“ わかった……ごめんね ”
「謝ることない。「水の貴族」のシークレット事項だったら仕方ないもの」
“ ラル、話の途中かもしれないけど、お茶が入ったって呼ばれてるから、戻っていい? ”
「もちろん。でも、戻る? 今どこにいるの?」
“ 療養施設の外、森の中。話の内容を聞かれたら大変だから、外に出てきたの ”
「そうなんだ。ごめん。先に連絡した理由を話しておくべきだった」
“ いいって。じゃあ、数日後にこっちから連絡するから、何時ごろがいい? ”
「今の時間だったら大丈夫」
“ 了解。じゃあ、また “




