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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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54-1 禁足地の謎

 

「これで、課題一つ目の、イベント会場の森に掛けられているのは「森林の迷宮」なのか、確認するための準備は終わった」ショウが、自分のノートPCに保存してあるタスク表を更新していく。


「課題二つ目の、ご老公が統治するアルビオン国東にある、禁足地に掛けられている結界を調べることと、シルバーフェニックス王国と通じているかもしれない通路の入り口を確認する、について、シンシアから話を聞くことができたか?」


「うん。電話を掛けたらちょうど休憩を取るところだったみたいで、ゆっくり話をすることができた。まずは、今の療養所の状況を聞いたの」


“ 今のところ、みんな順調に回復してる。だから、そろそろ脱出計画、第二回目を計画しはじめると、責任者のアディが直接話に来てくれたの ”


「アディが療養施設に来てるの?」

“ええ。毎日、同じ時間に来てる ”


「どうしてか理由を聞いた?」


“ラルたちの代わりだって言ってた。ラルたちが一回目の脱出班と一緒に本部を出てから、毎日来るようになったのよ。忙しいから毎日来なくていいと言ったんだけど、この施設が本部を作った最大の理由だから、ラルたちが出てる今、自分が療養してるみんなの様子を見る責任があるって ”


「……そう。アディらしい」


“ ハイ、ラル。元気 ? ” ミランドの声が聞こえる。 “ 体調は良くなった? ”


 ミランドは、シンシアが本部に残ることを選択したとき、一緒に残ることを決めて、療養施設にいる彼らの治療を手伝っていた。


「ええ。今いる場所がすごく快適で、かなり良くなってきたの」

“ 本当! 良かった。そういえば、声のトーンが全然違うわね “


「私たちが本部を出てから、運ばれてくるみんなはどのくらいいるの?」


“ 最近は二・三日おきだけど、数名ずつ運ばれてきてる。


 中にはかなり重症に見える者もいるんだけど、グループから支給されてる薬と、ラルたちが取り寄せてくれた治療法のお陰で、あと、シンシアがいることも大きいかな。


 シンシアがいることに気づくと、みんな表情が和らいで、組織の人達の治療を受け入れてくれるのよ ”


「さすが「水の貴族」のシンシア様。王国にいたときも「癒しのシンシア」と呼ばれてたものね?」


“ なるほど。元々素質を持ってるのね。でも、今、そのことが大いに役立ってるから「癒しのシンシア」の力をもっと発揮してもらいたいわね ”


“ もう、ラル。余計なことを言わないで ”


「いいじゃないの。本当のことなんだから」と言いつつ「実は今日、シンシアに聞きたいことがあって連絡したの」


“ そうなの。なにかしら? “


「私たちと会う前、アルビオン国のご老公の屋敷に行くことになった、禁足地のこと」

“ それは…… “


「今、別の場所のことを調べてるんだけど、その中で、もしかしたら禁足地も同じなんじゃないかって話になって、確認することになったの」


“……どんなこと? ”


「その前に、どうしてあそこにいたの? 調べものがあるって前に言ってたけど、なにを調べてたの?」

“ それは…… ”


「王国と繋がる隠し通路があるから?」

“ エエッ! どうしてそのことを知ってるの! ”


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