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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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53-5 意外な参加者

 

「実は一昨日、ティスから電話をもらったんです。


 なんでも、エミア様の指示で来たというイータル ヴェンティの少女二名から現状を聞いて、どうしてもイベント会場の森に「森林の迷宮」が張ってあるか調べたいからと、同僚の刑事二名に、今、ルナノヴァに知り合いがいて入れるチャンスだと誘い、ゴリ押しでその日のうちに出張届を受理してもらい、誘った同僚たちと一緒に船に乗って、大陸に渡ったそうです。


 着いた先の町で借りたレンタカーを、三名で代わりながらノンストップで車を走らせ、隣の国まで来たらしくて、国境の検問所まできてるから迎えにこいと言われて、驚きました」


「あ~……確かにティスは、昔から、思い立ったら猪突猛進的なところがあったけど、私たちの横を素通りしてったのね?」


「あなた方もルナノヴァにいると思ってたそうですよ。まだ港町にいたんだったら、一緒に乗せてったのに、と言ってました」


「それはできないから、先に行っててもらっていいんだけど」


 その時、部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。


「アッ、きっとティスですよ。ジュリアスが電話を掛けてくれたんです」

「そうなの?」


 ドアの開く音がして「ラルと電話が繋がってるって本当か!」ドガドカと足早に近づいてくる音がする。


「ククッ。ラルが猪突猛進型だと言ったのがよくわかるな」携帯のスピーカーから聞こえてくる足音や会話を聞いて、笑いだすショウ。


「ラル!」

「そんな大声出さなくても聞こえるわよ」


「本当にラルなのか!」

「もう、数日前に話したでしょう?」


「それはそうだけど、どうしてルナノヴァにないんだ? そんなに体調が悪いのか?」


 ティスの声は男性にしては少し高く、少年のような感じがする。


「ちょっとね。でも、今の場所に移動してからはリラックスできるようになって、気分的にも楽になってきてるから」


「そうか。ラルは昔から気遣い屋さんだったからな。自分のことを後回しにするから、突然倒れることがあったし。とにかく、無理はするなよ」


「うん。気を付ける」

「それで、いつ頃こっちにこれそうなんだ?」


「週明けに定期診断があるから、その時に先生からOKが出たら、行ける」

「わかった。フェスティバル期間中にはこれそうか?」


「たぶん、行けると思う」

「じゃあ、それまでに、例の森を調べとくよ」

「お願い」


「ラルは、そこにカテリーナが隠れてると思ってるのか?」


「まだわからない。けど、もし「森林の迷宮」が張ってあったら、かけた理由があるはずでしょう?」


「そうだな。掛けてあったら、その理由を突きとめる必要があることと、中に誰かいるのか。または、なにか隠されてるものが置いてあるのか」


「それと、もう一つ追加して」

「なに?」


「どうして、こんな危険な場所に結界を張ったのか?」



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