52-4 二回目のお茶会ミーティング 秘密の通路と結界
「実は……」
ラルは昨夜ショウと話した、ラルがいた国にある、結界が張ってあって立ち入り禁止とされている場所があり、そことアルビオン国の南西にある禁足地が地形的に同じ場所にあることと、両方に「森林の迷宮」が張ってあるかもしれないと話し
「もし本当なら、双子の領主は秘密の通路の入り口を見つけようとしてるのかもしれないと思うけど、「水の貴族」のシンシアの父親であるシェフィールド侯爵と交流があったと言われてるアルビオン国の領主のご老公が、双子の領主になにかの調査を依頼したため、禁足地へ出向いてるという情報も入ってきてるから、双子の領主も秘密の通路のことを知ってる可能性が出てきたの」
『ラルがいた国と行き来できる秘密の通路ですって? そんな通路がこの大陸にあるなんて、信じられないんだけど』寝耳に水状態のエミア。
『でも、非常事態用として確保しているということであれば、可能性はあると思います』意見を言う年長のアウラ リートレが『出た先が狩り人の元締めの住処で、一番危険なこの大陸ということには、すごく疑問がありますけど』と呟くと『逆を言うと、この大陸からその通路を通れば、かの国へ行くことができるということですよね?』目を丸くする年下のアウラ マリス。
さすがに、ストレートに行くことはできないと思うよ」答えるショウが「きっと、何かしらの仕掛けがあるだろうから、秘密の通路に入ったからといって、かの国へ行けるとは限らないだろうね。とはいえ、通路が見つかってしまったら、いずれ通り方が解明されてしまうだろうから、見つからないように出入り口を封印しておくことが得策だろうね」
『アアッ! だから「森林の迷宮」が張ってあるのね!』顔を見合わせるラルとエミア。納得と頷く。
「でも、今話したのはすべて仮説。これが本当か、確かめる必要があるだろう?」
『そうね。ウィルシーにも伝えて、引き続き調査してもらいましょう。そういえば、私たちのほうからも数名、双子の領主の動向を確認しに行ってるんだけど、「森林の迷宮」が張ってあるなんて報告は来てないわね』
「そうなの? じゃあ、別の結界が張ってあるのかもしれない」
「別の結界? 例えば、他にどんなものがあるんだ?」
「それは……いろんな結界があるから説明するのが大変だけど、「森林の迷宮」と同じような特徴がある結界があって、それは「森の幻想」というんだけど、これは「水の貴族」が掛けることができる結界なの。霧を発生させて視界を奪い、方向をわからなくして、隔離してる場所へ行かせないようにするものなの」
「なるほど。そういえば、禁足地に関わりがあるのは「水の貴族」のシンシアたち。だからラルは、「森林の迷宮」でなければ「水の貴族」が掛けられる結界じゃないかと考えたのか」
「うん」




