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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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50-2 重なる場所

 

「それとは別に、ご老公の隣国の領主である、例の双子が動いてることが気になる」

「そういえば、今、双子の領主が禁足地を調べに行ってるんだよね?」


「それなんだが、もし、禁足地に秘密の通路があるんだとしたら、ラルたち寄りにいると思われるご老公が、いくら仲がいいと言われてる隣国の領主の双子に、禁足地を調べるように依頼するとは思えない。逆に、禁足地を守るように依頼したと考えるほうが妥当な気がする」


「それは、例の双子の領主も、秘密の通路があることを知ってるから?」考えながらラルが言うと、ハッとした顔をするショウ。「その可能性はあるな」と言って考えはじめる。


「でも、双子の領主のところには、以前、アディやジットが狩り人のリーダーとして所属してたんだよ」


「しかし、アディが幽閉されてた彼らを裏で逃がしてたと言ってただろう?」

「……そういえば、その話を聞いたとき、ちょっと不自然さを感じた」


「幽閉されてる彼らが一名でもいなくなれば、すぐにバレるはず、だろう?」

「うん」


「それは俺も気になった」

「ショウも気付いてたんだ。でも、アディはなにもフォローしなかったよね」


「ジットもなにも言わなかった。ここにも、なにか裏がありそうだな」フウッと息を吐くと「さて、どうやって真相を確かめるか」


「まずはシンシアに話を聞いて、エミアやウィルシーたちに依頼してる調査報告を聞いたあと、重要事項をピックアップして、判断する感じだね?」


「そうだな。まずは情報収集からだ。でも、今日はもう遅いから、シンシアに連絡するなら、明日、療養所の見回りが終わった午前十一時前頃なら、彼女も休憩室で担当者たちとお茶を飲んでるだろうから、電話に出られるだろう」


「そうだね」サイドテーブルの置時計を見ると、日付が替わろうとしていた。


「明日は午前十時にエミアたちが来る。先に彼女たちの話を聞いて、その後にシンシアに電話すればいい。ああ、俺の携帯を貸すから、それでかけろよ。盗聴妨害対策済だから」


「わかった。でも、この場所でも盗聴される可能性があるの?」


「ここはどこだ?」

「……悪魔の巣窟です」


「そこで、とりあえず一般的な防止対策の携帯で、安全が確保できると思うか?」

「私の携帯だって、それなりの対策をしてます!」


「それなりだろう?」

「……そうです」


「なら、完璧な対策済の俺の携帯を使ったほうが、ずっと安全だよな?」と言われ、ムッとすると「そうです……」


 仏頂面のラルを見ると「携帯貸して。ラルのも完璧な対策をしておくから」


 そう言われて、サイドテーブルに置いてある携帯を渡すと、パスワードを聞いて機能や設定を見ていきつつ「携帯の機能を確認してアプリとかインストールするから、少し時間が掛かりそうだ。シンシアにはPCからチャット連絡しろよ。ああ、ラルのノートPCにはばっちりセキュリティ掛けてあるから、安心して使えるぞ」


「……わかった」


 メカオタクのショウが対策したPCなら、かなりのメカオタクでなければ防衛線を突破できないだろう。


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