46-3 お茶会を兼ねたミーティング
『あり得るわね』考えるエミア。『たぶん、特定の方のみ、入れるようにしてあるのかもしれない。そのことも、ティス様に確認したほうがいいと思う』
「お願いできる?」
『もちろん』
「なぜそんなことをする必要があるんだ?」質問を投げてくるショウ。「人間からだけでなく、ラルたち側の者まで近づけないようにする必要があるのは、どんな理由なんだ?」
「……私たちの誰かから逃げるため」
「なんだって!」
『それしか理由はないでしょうね』同意するエミア。
「では、もし例の森に「森林の迷宮」が張ってあったら、誰かが隠れてる可能性が高いということか?」
『そうよ』
「ラルが予測してた、カテリーナがいる可能性があるのか」
「……それは……」
『カテリーナ様があの森に?』初耳なので驚くエミア。『どうして?』
「カテリーナがティシャと一緒に、だいぶ前から行方不明らしいの。だから、その森に「森林の迷宮」が張られてたら、中にカテリーナがいる可能性があるの」
『ティシャ様が「森林の迷宮」を張った可能性があるから?』
「まだ可能性があるとしか言えないけど」
『さっき、ご老公の領地にある禁足地に「水の貴族」のシェフィールド侯爵が隠れてるかもしれないと言うし、今度は「火の貴族」のカテリーナ様なの?』頭を抱えるエミア。
『危険と言われてるこの大陸に、主要貴族の方が二名も隠れてるというのは、おかしいと思うのですが』年長のアウラリートレが遠慮がちに言うので「私も、その点はおかしいと思ってる。私たちを狩ってる元締めたちが住んでるこの大陸に、どうしてって思うけど……」
「灯台下暗しと言いたいのか?」ラルを見るショウ。
「……わからない。けど、もし予測が合ってるのだとしたら、どうしてこの大陸を選んだのか、理由が知りたい」
「俺も知りたいよ」
『もちろん、私たちも知りたいわよね』エミアが隣の二名を見ると、同感と頷く。
「とにかく、順番に進めましょう。エミアたちには「土の貴族」のティスと合流してもらうことが追加されるけど、対応をお願い」
『大丈夫よ』
「ウィルシーにも「森林の迷宮」が張られてるか、確認してくれるように話しておいてくれるかしら。湿地帯の水位が上がってるから、近くまで行けると思う」
『わかった。じゃあ、あなたたちは向かいの大陸に行って、ティス様と合流して。その後、ティシャ様の捜索の手伝いをして』アウラリートレとアウラマリスに指示すると『承知しました』気を引き締めて頷く。
『じゃあ、お茶を飲んだら行くわよ』エミアが二名に声を掛けると「ケーキは全部食べていいよ」とショウが言うので『はい! いただきます!』残りを均等に分けて食べはじめる。
その後、エミアたちは三日後の同じ時間にくると言って、それぞれの場所へ向かった。




