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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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43-1 それぞれの移動

 

 翌日の午前九時。


 ホテル滞在中、電話以外で部屋から出ることがなかったオルトたち一行が、来たときと同様に、注目を浴びながらホテルを出発すると、同行するジェシーたちがあとを追うように出発し、午前十時にマンションの管理会社の担当と会う予定のショウが、看護師さんと一緒に、彼女の軽自動車で待ち合わせ場所へ出掛けていく。


 その間、ラルは先生の言いつけを守り、ベッドで朝食を食べたあと薬を飲み、仮眠を取った。


 その日の夕方、午後六時前、ジェシーからショウの携帯に電話がきた。


 少し前にルナノヴァへ着き、予約していた街中のホテルにチェックインしたことと、シルビアが翌日、組織の調査員のリーダーであるレグナルと会うことになったとのこと。


「今のところ、順調にいってるな」

「そうですね。このまま進んでくれるといいんですけど」長距離を運転したため、少し声が疲れている。


「そういえば、グランチェストたちが明日出発すると、さっきフロントマネージャ―が教えてくれたけど、連絡いってるか?」


「はい。メールが来てます。ルナノヴァで予約してるホテルが同じなので、こちらでも食事をしようと書いてありました。その席でイベント参加の話をしたいんだと思います。そうそう、そのイベントですが、長雨の影響で一週間順延するようです」


「そうなのか。まあ、仕方ないな。道中大変だったろう?」


「舗装された道路を来たので、足止めされることはありませんでしたが、川の増水で道路が水没して、迂回したところがあったので、少し時間が掛かりました」


「やっぱり影響が出てるな」


「そうですね。でも、作物に影響が出始めていたくらい日照りが続いていたようなので、不作になるよりマシだと、ホテルの人達が言ってました」


「とにかく、今夜は早めに休んだほうがいい。声が疲れてるぞ」

「はい。ちょっと疲れました」


 その後、定期的に報告を入れることを確認し、電話を切った。


「グランチェストたちが大人しいのは、向こうでジェシーたちと合流して、事を運ぼうとしてるからみたいだね」ショウが電話をスピーカーにしていたため、会話を聞いていたラルが「グランチェストが私たちの予定を聞いてきた?」


「いや。俺たちがルナノヴァへ行かず、しばらくここに滞在するとジェシーから聞いて、一旦、引いたらしい」

「そうなんだ」


「彼らは明日ルナノヴァへ出発するらしいし、俺たちも、明後日チェックアウトしてマンションへ移動するから、気にすることない」


「マンションの場所は知らないよね?」

「そのことは、他言しないように先生や看護師さん、フロントマネージャーに言っといたから、大丈夫だと思う」


「油断はできない。注意しておいたほうがいいと思う」

「まあな」


「マンションには、明後日、入居できるんだ」

「担当者に事情を話したら、最短で手配してくれたよ」


「契約は一ヶ月?」

「ああ」


「一ヶ月で良くなるかな?」

「入居希望者が多いわけじゃないから、契約期間内なら延長は可能だそうだ」




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