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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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42-3 意外な話

 

 夕食後、ショウはウィルシーたちと会うために外出し、ベッドにいるラルは、定期診察で常駐している医者の先生に、いつ頃外出していいか聞くと「外出したいのであれば、きちんと食事を取って薬を飲み、ホテル内でも無理に動かず、十分な睡眠を取ることです」


「……はい」


 部屋から極力出ないように言われていたが、ジェシーたちの部屋に行ったり、ダイニングルームで食事していたことがバレているらしい。


「ホテル内なら、動いても大丈夫かと……」

「そんなこと誰が言いましたか?」


「……誰も、言ってません……」

「だから、いつまでたっても血圧が正常値にならないんですよ」

「……すみません」先生の怖い顔を見ると、冷や汗が出てくる。


 すると、看護師の女性が、明日の午前中、彼女が住んでいるマンションを管理してる会社の担当とショウが会って、契約する予定なので、移動は数日後になると聞いているが、移動は大丈夫かと確認する。


「移動するだけなら大丈夫だが、歩き回ったりしないよう、付き添うように」

「承知しました」


 返事をする看護師がカバンから新しい飲み薬を取り出すと袋に入れ、ラルに渡すと、また明日くると言って、先生と一緒に部屋から出ていく。


「ホテル内でも歩き回ったらいけなかったなんて、言うんじゃなかった」持ってきた薬は飲まず、もらった薬を飲んでいるので、緩やかではあるが効き目はあるらしい。


「ダイニングルームまで行っても息切れしなくなったから、大丈夫だと思ってしまった」



 ショウは思ったより早く戻ってきて、ウィルシーたちと打ち合わせたことを教えてくれた。


「まず、雨を降らせた雨雲は、今週中にはほかに移動させるそうだ」

「最近、雨足が弱くなってきたからね」


「明日、ジェシーたちが移動するときには、だいぶ落ち着いてるだろう。道路状況がどうか、不安はあるけどな。それと、エミアにご老公の様子の確認と、ウィルシーに、シンシアが調べてた禁足地の様子を見てきてほしいと頼んできた」


「彼女たちはなんて?」

「すぐに対応してくれたよ。三日後、報告を聞くために会うことになった」

「そう」


「それで、先生はなんて言ってたんだ?」

「きちんと食事を取って薬を飲み、ホテル内でも無理に動かず、十分な睡眠を取りなさいって」


「……つまり、外出はダメだと」

「……うん」悲しそうな顔をすると「それじゃ、仕方ないだろう?」ラルの頭を撫でる。


「マンションへの移動は、看護師さんが付き添ってくれるって」

「そうか。まあ、荷物もバッグ一つずつだから、往復する必要ないしな」


「ショッピングモール、行きたかった……」

「ルナノヴァへ行く前に寄れるだろう?」


「アッ、そっか。そうだよね!」パッと明るい表情になる。



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