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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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42-2 意外な話

 

「表の顔の兄は、ビーグル犬のぬいぐるみのコレクターだ。以前飼っていたビーグル犬が亡くなった後、また飼って亡くなるのを見るのが辛いという理由から、亡くならないぬいぐるみを集めるようになったそうだ。そのため、その手の即売会や展示会にお忍びで行ってる」


「裏の顔の弟は、ビクスドールという陶器でできた人形の収集家だ。亡くなった母親が好きだったからだよ。母親のコレクションを引き継いでるんだ」


「そうなのか。では、オークションなどに出品されたら参加するんだろうな」

「稀少なものなら、自ら出向いて競り落とすよ」



「二人とも、意外な物のコレクターだったのよね」思い出して苦笑するラル。


 見かけによらないという言葉が合ってると思った事例だった。


「でも、ご老公、大丈夫かしら?」ベッド脇に座っているショウに耳打ちする。「シンシアがお世話になったから、きっと、このことを聞くと心配すると思う」


「そうだな」ショウは頷くと「ご老公の容体はかなり悪いのか?」


「あまり良くないらしい。詳しい状態はオフレコになってるから、本当はどうかわからないけどね」アディはこの情報をあまり信じてないようなニュアンスで話す。


「どこが気に入らないんだ?」ショウが突っ込むと「えっ、いや、別に根拠はないけど……」言葉を濁すので「アディらしくないわよ」


「そうかな?」

「気になることがあるんだろう?」


「実は、容態が良くないというのはフェイクじゃないかと思うんだ」

「フェイクだって? その根拠は?」


「だから、さっきも言ったけど根拠はないんだ」

「勘とか言うわけじゃないだろう? アディのことだから、疑う根拠があるはずだと思うけど」


「相変わらず突っ込んでくるね」なぜか楽しそうに言うので「私たちを試してるの?」気付くラルが言い返すと「そうじゃないけど。理由と言えるかわからない程度だけど、隣の領主の双子が、一緒に調査に向かったということが気になるんだ」


「どうして?」

「あの二人は表と裏。一緒に動いたら意味がないだろう?」


「アッ」

「だから、調査内容を知りたくて、タキたちに行ってもらったんだ」


「なるほど。なにか出てきたのか、新しく情報が入ったのか。気になるね」

「情報が入ったら連絡するよ。だから、そっちも進展があったら連絡してほしい」


「シルビアに伝えておくよ」


 その後、通信を切ると「なかなか一つのことに集中させてもらえないな」

「ご老公のことは、エミアに頼んで見にいってもらったほうがいいね」


「そうだな。しかし、シンシアの父親と繋がりがあるんだろう? だったら、ウィルシーたちに行ってもらうのは、禁足地のほうがいいか」


「そうだね。夕食後、頼みに行かなきゃ」

「ああ、俺が行ってくる」


「でも」

「ラルは、体調を戻すことが最優先だろう?」


「……そうだけど」

「大人しく待ってなさい」



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