2 共同任務 その一 売り込み
「ホウ、あんたらも同じことを思っとったか」
「ええ。あんな能無しに大きな顔をしていられると目障りですからね」金縁眼鏡をかけてスーツを着たショウが答えると「それは、わしも常日頃から思っとったわ」そうだろうと頷く。
二日後、早速ターゲットの屋敷へ乗り込んできていた。
客間に通されて豪華なソファに座り、向かい合って話す。
「それで、どうしてわしのところへ来たんだね?」
「買っていただきたいものがありますの」ショウの上司よ、というでかい態度でキラがニッコリ微笑むと「ホホゥ、なんだね?」興味のある顔をする。
「彼の別荘からいただいてきたものですの。きっとお気に召していただけますわ」
「なんと! 奴のところから奪ったのはあんたらじゃったか! いやあ、見事なお手並みじゃったぞ」
「恐れ入ります」
「ホホホホホッ! いや気に入った。そんなきれいな顔して、やることは男勝りじゃのう。いや、悪い意味で言っとるんじゃない。とても有能だと言っとるんじゃ」
「お褒めにあずかり、光栄ですわ」
「で、どこにおるんじゃね?」
「ある所におりますわ。なにぶん、ここら辺は目障りな人達がウロウロしてて危険ですから、今日は写真をお持ちしましたの」
バッグから数枚の写真を取りだすと、側近がその写真を受け取って老師に見せる。
「オオッ! なんという美しさじゃ! オオッ! この子もいいのう。ウン、ウン、アイツはこんなに持っとったのか」
「お気に召していただけまして?」
「もちろんじゃ。大いに気に入ったぞ!」満面の笑みを浮かべて大喜びする。
その顔を見て手応えを感じると「お譲りする前に、一つ確認したいことがありますの」と言うと老師は表情を戻して「なんじゃ?」
「彼らがいる部屋の確認ですわ。 適した環境にいるか、確認する必要がありますから」
「それは、わしが彼らを悪条件のところに置いてるかどうかを見たい、ということか?」
「そうですわ」
「なんじゃと!」
「わたくしどもとしては、苦労して集めたものを台無しにしてしまう方へはお譲りしたくありません。それではコレクションになりませんもの」
「ウウム」
「もし見せていただけないのでしたら、このお話はなかったことになりますわ」
「いや、それはいかん!」
「買い手はたくさんおりますので」
「……それは」
「適した環境を整えていれば、見せることを躊躇する必要はないはずです。怪しいですね」ショウが意地悪く突っ込むと「そんな事はないぞ」睨み返す。
「問題がないのであれば、見せていただけますよね?」
「……わかった。案内する」




