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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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35-4 お茶飲みメンバー

 

「とにかく、シンシアが結婚したら、「水の貴族」の事実上のトップとなる公爵となるのなら、結婚相手の申し込みが押しかけてきてたんじゃないか?」


「まあ、ね」

「だとしたら、こんな状態のときに、彼女が一人で行動するのはダメだろう?」


「そんなこと言ってる場合じゃなかったから……」

「ああ、キラのメンバーに選ばれたんだっけ?」

「……うん」


「そういえば、茶飲み友達、全員がメンバーになったとか言ってなかったか?」


「そうだよ。だから、どこかで会えるように生き残れよって、キラのメンバーとして、出発する、最後の日に……みんなで……」


「そうだったな」涙ぐむラルの頭を撫でながら、タオルで涙を拭いていくと「今のところ、生存が確認できてるのはシンシアだけか。これでカテリーナの消息が確認できればいいんだが」


「行方不明だなんて、すごく心配……」


「茶飲み友達イコール「かの国」の中枢か?」

「……まだ中枢じゃないよ」


「……まだね」

「……まだ」


「やっぱり、ジェシーたちに頼んで、「森林の迷宮」が張られてるか、カテリーナが(かくま)われてるか確認してもらおう。とにかく、一刻も早く彼女を見つけることが先決だ。ジェシーはカテリーナと会ったことがあるんだろう?」


「うん、知ってる。ジェシーもお茶会に来たことがあるから」


「まずは、彼女の生存を確認することが優先だから、可能性があることはできるだけ調べよう。あとでジェシーに話しとく」


「でも、オルトの正体を探るチャンスなんだよ」

「もちろん、そっちも同時進行で進める」

「どうやって?」


「組織の調査班がいるだろう? オルトのほうは調査班に動いてもらって、カテリーナのほうをジェシーたちに動いてもらう」


「承諾してくれるかな?」

「くれるだろう。ジェシーも心配してたからな」

「そうだけど……」


「「森林の迷宮」確認後に、こっちの調査に合流してもらえばいい。彼らは組織のメンバーと会いたがってるから、いい機会だろう?」


「そうなると、グランチェストがジェシーたちに何を言ってくるのか、確認しないといけないよ」


「そうだな。食事が終わったら連絡をくれるようにメールしてあるから、電話が来たら聞いてみる。大丈夫。彼女は無事だよ」


「……うん」涙を拭くラルに、枕元に置いてある自分のTシャツを渡すと、両手で握って匂いを嗅ぐ。


「そんなに俺のTシャツの匂いが好きなのか?」

「……ボディシャンプーの匂い」


「……忘れてた。親父さんのと同じだったんだ」

「……一緒」


「ラルがファザコンだったとは思わなかった」

「ショウは、ブラコン、でしょう?」


「ん? 兄貴のことを話してるからか?」

「うん」


「そこまで言われるほどじゃないぞ」

「……そうなの?」


「今はラルコンかな?」

「……なに、それ?」


「かわいいラルちゃんにベッタリだから」

「……お子様だって、揶揄(からか)ってるのに?」


揶揄(からか)ってなんかない。お子様のラルちゃんがかわいいって言ってるんだ」

「……言われてるように、聞こえない……」


「じゃあ、行動で示せばわかるか……だから! 寝るのが早いって!」

 スーッ、スーッと寝息が聞こえてくるので「即効だな。このTシャツ、どんだけ睡眠効果があるんだ?」




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